2006年12月の投稿

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投稿者:
日 付:2006.12.28


こんにちは、どろです。

アクセス5万件突破おめでとうございます。

世の中に軍事問題を語るサイトは数多ありますが、凡百の軍オタサイトは戦争を楽しんでいるが如き印象があり、よほど良質の所でなければ読む記がしません。
一方、数多くある戦争を厭うサイトではトンデモ軍事知識が禍して、せっかくの平和志向が生かされていません。
そのような中、このサイトは正確な軍事情報に支えられつつ、平和志向の立場を鮮明にしている点が実に貴重であり、とても共感できます。神浦さんのサイトと共に、その存在の重みが日増しに高まっているように思えます。

頻繁な更新は大変でしょうが、チェックする側としてはとても新鮮で楽しくて、一日に何度もクリックしてしまいました。これからも倦むことなく所期の志を貫いて頂きますよう、勝手ながらお願い致します。
しかしお正月くらいはゆっくり休んで下さいね。

さて当方は昨日が仕事納めだったのに今日は溜まった仕事を片づけようと出勤しておりました。すると最後になってとんでもない仕事が飛び込んできてしまい、どうやら年末年始はゆっくり休むヒマもなくなりそうです。
しばらくはパソコンに触れることがないと思いますので、これが今年最後のコメントになろうかと思います。

ということで、来年もよろしくお願い致しますm(_ _)m

・・・・せめて今日ぐらいはゆっくり飲みに行ってやろう。ということでこれから出かけます。
(^_^;)
 今年は色々とお世話になりました。

 このサイトの方針として私が考えているのは、日本語で読める軍事情報の量が絶対的に不足しているのを何とかしたいということです。海外に比べて日本は、軍事的な情報があまりにも不足している上に不正確です。先日、コラムに書いたように、子供の頃は随分と間違った情報にさらされていました。そして、軍事知識を正しく勉強したいと思った時に、日本では学ぶ場所がほとんどないことに気がつきます。インターネットで海外のニュースやウェブサイトを見られるようになってからは、やはり日本の軍事知識は不足しすぎているという実感を強めました。最近のソマリアでの戦闘も、国内の報道をどう読んでも状況は分かりません。海外のニュースを漁って、はじめて状況が理解できるという具合です。こうした状況だから、日本の政治家はソマリア問題について何の発言もしていません。自分たちや日本には関係のない話だと思っています。そのくせ、国際的な舞台には立ちたがるのは困ったものです。

 やはり、軍事に通じた市民を増やすことが重要なのだと思います。そうすれば、少しは状況はよくなるかも知れません。そのために、このサイトが役に立てばと思います。

 来年もよろしくお願いします。(スパイク)
投稿者:
日 付:2006.12.17


スパイクさん、こんにちは。

新型ミサイルの情報がないということなので、既にご存じかも知れませんが、報告します。
クリスチャンサイエンスモニター紙にそれに関連する記事が載っていました。

上昇段階での迎撃は加速強化で防ぎ、成層圏での迎撃は複数弾頭とおとり弾頭で混乱させ、レーザー攻撃にも強いとあります。

http://www.csmonitor.com/2005/0104/p09s02-coop.html

米国議会はMD予算を減らすそうですが、日本は役立たずのMDにまだ固執するのでしょうね。
野党が弱いので、与党が一旦決めたら止める手段がありません。
我々の税金がこんなムダなものに何千億円も使われるのかと思うと、ひどく情けない気がします。

 記事を書いたスコット・リッター氏は、イラクの核査察問題で「イラクに核なし」を最初に主張した人ですね。

 ブースト段階では迎撃ミサイルがランチャーの隣にない限り撃墜できないという厳しい評価です。さらに、レーザー兵器(エアボーン・レーザーのことでしょう)に対して強化されているとも言っていますから、レーザーに焼き切られないように外装を強化したのでしょう。トポルM(SS-27)の出現で、アメリカのミサイル防衛はゼロからスタートしなければならないとも、ブッシュ政権のMD計画は夢に終わるとも指摘していますね。

 昨日見つけた記事には、トポルMはアメリカの核戦略を大きく変更しないという専門家の言葉が載っていました。だから、トポルMはあまり大きく評価する必要はないとも考えましたが、やはりリッター氏の発言は無視できません。エンジン付きの弾頭の話は疑問ながら、トポルMが撃墜困難なのは間違いがないようです。

 問題は、イラク問題で首が回らないブッシュ政権は、この問題を無視したいという動機に駆られることです。この話がメディアで大きく取りあげられると、ますますイラクへ介入し続けることへの批判が高まります。イラクのための本土防衛を犠牲にするのが本末転倒なのは言うまでもありません。ヘマはできるだけ隠すのが世の常です。確か、アメリカがMD予算を減らしたのは今年度の話で、北朝鮮のミサイル打ち上げで来年度は多分増額になるはずです。開発メーカーとミサイル防衛局は大喜びで遅れているテストを行おうとするでしょう。その時に、トポルMの評価をどう反映させるかという問題が出るはずです。また、日本は導入を決めているので後戻りできず、効果のない防衛システムを購入し続けることになるのかも知れません。

 ミサイル防衛の開発費用は、それを打ち破る新技術を開発する費用の遥か上を行くというのは、SDI計画の時にすでに言われていたことです。(スパイク)
投稿者:
日 付:2006.12.11


スパイクさん、こんにちは。

12/11「現状に取り残され、もたつくブッシュ政権」の文中、「イラクで最も先進的なのが、スンニ派なのは否定できない」とあったので思い出したことがあります。

IFC(イラク自由会議)という団体の議長が日本に来ていました。
議長を招いた集会に誘われた私が出かけたのは、「イラクに市民テレビ局を作ろうとしているらしい」と聞いたので興味を抱いたのです。

話を聞いた印象ですが、どうやら旧バース党の影響がかいま見えました。
宗派主義に属さず、労働組合を組織し、女性の権利を唱える団体なんて、イラクではバース党ぐらいしかないのではないでしょうか。
その本部が米軍の捜索を受けたときも、米兵から「お前達はバース党だろう」と言われたと議長は語っていましたが、その疑いを積極的に否定していませんでした。

バース党社会主義がいまさら大きな力を持つとは考えられませんが、しぶとく頑張っているのだなあと、ある意味で感心しました。
居住区を守る武装部隊を組織しているとも語っていましたから、サダム支持派の残っている所では案外政治力を回復しつつあるのかもしれません。

ということで、一応報告だけしておきます。

ちなみに議長を日本に招聘した団体は、集会に参加して見てびっくり、「民主主義的社会主義運動」という過激派でした(^_^;)
 その団体のものと思われるホームページを見てみましたが、イデオロギーにかなり傾倒した団体のようですね。イラク自由会議のメンバーも、団体の実態を知らずに参加しているのかも知れません。「魚心あれば水心あり」という話もありますが、この二者に安定した関係は築けそうにありませんね。お互いに目標とするものが違っていて、今はなんとか協調が取れているというところではないでしょうか。それにしてもこの団体、私には主義がよく分かりません。マルクス主義と民族主義が両立するとは私には思えません。

 イラク自由会議という組織名は民族共和を連想しますが、「居住区を守る武装組織」という言葉から、ある派閥を基盤とする組織と考えた方が間違いありませんね。その他の特徴からもバース党系と考えて間違いないですね。イラク人も知的産業に就いている人たちとは話せそうに思えますが、伝統ばかりを重んじる人たちとは会話は難しいと思うことがあります。宗派ごと、地域ごとに本当に大きな格差がありますね。市民テレビ局も、すでに存在している商業的なテレビ局とは別物と思えます。政治プロパガンダ用のテレビ局かも知れません。こうした細かいことまでは、英語メディアばかり見ていても、なかなかつかめません。最近、アラビア語が読めたら、もっとイラクの情勢が分かるのにと嘆いています。(スパイク)
投稿者:
日 付:2006.12.5

スパイクさん、こんにちは。いつも貴重な情報をありがとうございます。

米軍機による低空飛行訓練の衝撃波で窓ガラスが割れ、男の子がけがをしたという報道がありました。

とんでもない低空を超音速で飛んでいたことになります。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20061205k0000e040035000c.html

こんな訓練が堂々と行われているのも驚きですが、日本政府機関が国民の被害についてまるで他人事のように語るのはもっと驚きです。

ところでゲームシミュレーションの件ですが、興味はあるのですが時間をとられそうなので、自分としてはそれを警戒しています(^_^;)
ドラクエやFFで何度徹夜したことか(^_^)

 その記事は私も読み、地域住民の立場に立つべき江差町までが「発表する立場にない」と言ったのには失望しました。なぜなら、ジェット戦闘機がどれくらいの速度でどれくらいの高度を飛ぶと窓ガラスが割れる恐れがあるのかといったことも、国民の安全を守るために重要であり、公開すべき情報だと思うからです。慣れていないという説明は意味がありません。米軍基地が地元になくても、米軍は日本の全域で活動しています。いつ何が起きてもおかしくはないと言えるのです。だから、どんな場合でどんな対応をしなければならいのか、すべての市町村がイメージ・トレーニングをして準備する必要があります。

 地図で見ると、新栄町は愛宕町よりも海岸から遠いので、F16がどこを飛んだのか気になります。想像できるのは、日本海側の訓練空域から三沢基地へ戻る途中だったということです。それにしても、そんなに低空で飛ぶはずがない場所です。以前に、イタリアで米軍機が腕を競い合って低空を飛び、ロープウェイに機体を引っかけて大惨事を起こしたことがあったと記憶します。それと類似する事故ではないかと疑ってしまいますね。

 「TacOps」は、とりあえず入門編とファイル数点の日本語化を終えました。しかし、マニュアル本編は250ページ近くあり、他にシナリオやマップの説明書もあります。少しずつやっていますが、いつ終わるのか分かったものではありません。しかし、入門編を読めばすぐに簡単なシナリオをプレイできるようになります。アップデータを適用すると、古い兵器や部隊のデータが追加されるようです。インターネット上には、第二次世界大戦のタワラ環礁の戦いを再現するシナリオやバグダッド市街のマップもアップロードされているようです。これがあれば、他の戦術級ウォーゲームは必要がないと言えるほどです。米軍だけでなく、カナダ軍と民間人の協力を得て作られており、信頼性の高いウォーゲームと言えます。

 下に、あるシナリオのマップとユニットを示します。これはテロリストの訓練キャンプへヘリボーン作戦を行うシナリオのマップです。赤い部隊は対抗軍(OPFOR)です。プレイヤーはカナダ軍を指揮して、キャンプ内の5つの建物を20分間占領し、その達成後、半数の部隊を脱出させます。OPFORはそれを妨害すれば勝ちです。カナダ軍は2個ライフル銃中隊(迫撃砲部隊含む)とTOW部隊、狙撃兵、ヘリコプター部隊を持ち、155mm榴弾砲と航空機による砲爆撃支援を受けられます。OPFORはキャンプ内に2個中隊と装甲車に乗車した1個小隊。他に2個機械化ライフル銃中隊を持っています。画面に見えている部隊の下に、同じ場所にいる他の部隊が隠れています。カナダ軍は青い枠の中に初期配置を行えますが、狙撃兵だけはキャンプの外側の好きな場所に配置できます。

 ちなみに、パッケージ版を買っても、インクジェットプリンターで印刷されたラベルが貼られたCDと、レーザープリンタで印刷されたカバーのついた簡素なパッケージが送られてくるだけです。ほとんど手作りの製品ですから、ダウンロード版を買っても損することはないでしょう。
(スパイク)

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