2006年8月の投稿 過去の投稿の目次
投稿者:ガスパーチョ 日 付:2006.8.10
はじめまして。ガスパーチョという者です。 いつも興味深く拝見させていただいております。 更新、いつも楽しみにしております。
米軍が軍隊のテーマパーク建設に関与するという記事を読み、 大変びっくりしました。そこで私も関連情報を探してみました。 米国陸軍協会(AUSA)サイトの情報によると、ディズニーと ユニバーサルスタジオがこの企画案に関与していた模様です。
AUSA 10/20,2003
U.S. Army National Museum Activated at Fort Belvoir, Va.
http://www.ausa.org/webpub/DeptHome.nsf/byid/KGRG-6DSQEH
また、APの8日記事によれば、米軍の担当者が却下していると伝えています。さすがに軍関係者も悪趣味だと思っているようです。(APの記事は1週間で有料アーカイヴに移動されるようです)
AP 08/08,2006
Army Rejects Military Theme Park Idea
http://symy.jp/?ind (短縮URLです)
連絡する迄もない情報かも知れませんが、一応ご連絡させていただきました。
この件に関しては私のblogにも記事として纏めましたが、スパイクさんの記事を一部引用し、サイトのトップと「軍隊のテーマパークに米陸軍が協力」のページへリンクをさせていただきました。事後報告ですみません。問題があるようでしたら、どうぞご指摘下さい。
とりあえずガスパーチョ 08/10,2006 米軍が軍事テーマパークを建設予定?!
http://www.mypress.jp/v2_writers/gazpacho/story/?story_id=1469100
これからも無理せず 体に気をつけて頑張って下さい。
タイムリーな投稿で、とても助かります。Military.comの記事はすでに古かったようですね。
コメディ映画「ホット・ショット2」に、イラクとおぼしき国に潜入した主人公が、看板で目的の場所を探す場面があります。それは、なぜかディズニーランドのイラスト地図にそっくりで、「テロリスト・マウンテン」とか「ペルシャ湾の海賊」とか、どこかで聞いたような名前が書き込まれていました。記事を読んで、このシーンを思い出し、別の意味でも笑ってしまいました。
かなり前になりますが、アメリカの通販カタログに悪趣味な子供用の玩具が載っていて、驚いたことがあります。それは絞首台や電気椅子などを正確に再現した模型です。これで子供が何をして遊ぶのかと想像すれば、人形の死刑ごっこしか考えられません。こんなものを子供に与える親の気が知れないと思ったものです。
子供に戦争を教える時は、常に慎重であるべきです。単純に「悪党どもをやっつけろ」という具合には行かないことを理性的に分かるようにしなければなりません。私は子供の頃に見た「鉄腕アトム」は、大きなロボットをやっつけるアトムの姿しか記憶にありません。後年、手塚治虫氏が「アトムのテーマは差別問題です」と言うのを聞いて、衝撃を受けたものです。理解しているつもりで、何も理解していなかったのですから。
リンクは構いませんので、自由にやってください。(スパイク)
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投稿者:投稿者の希望により省略 日 付:2006.8.8
緊迫の続くレバノン情勢なのですが、ふと気になったニュースがあったので ぜひとも意見をうかがいたくメールを差し上げました。 まず、 「ロイター、レバノン人契約カメラマンの写真を削除」
http://tinyurl.com/mx6wy (↑短縮URLです。ロイターの記事へ) という、ロイター通信内部の事情のように読める記事なのですが、 以前、 「戦争とマスコミ」(田中宇の国際ニュース解説)
http://tanakanews.com/g0725media.htm を読んでいたので、合わせるとある種の疑問がわいてきます。
このカメラマンが写した写真に、イスラエルに都合の悪いものでもあったのでしょうかね? 戦場での報道管制がどうなっているかわかりませんが、 そういうことを勘ぐりたくなるようなニュースだと思いました。
スパイクさんの解釈はいかがですか? 単なる偶然が重なったというお考えでしょうか?
暑いですが、体調を崩さぬようご自愛ください。 それではまた。
このメールを送って頂いたあとで、投稿者から真相を書いた記事を見つけたという情報を頂きました。
私の方では、ロイターの英語版の記事を見つけました。上記の記事はロイターの記事を要約したものと思われます。
簡単に事件をまとめます。
問題のカメラマンはアドナン・ハジ(Adnan Hajj)で、ロイターは「写真の改ざんほどロイターの基準に対する重大な違反はない。ロイターはいかなる故意による写真の改ざんを認めない」としています。
ハジは、ベイルート郊外をイスラエル軍が空爆した写真に画像編集ソフト・フォトショップを使い、建物からより多くの黒い煙が立ち上っているように編集したのです。また、南レバノンのナバティヤ上空を飛ぶイスラエル軍のF-16戦闘機から投下されるフレアー(囮用の熱源)を1個から3個に増やしたのです。これらは比較的簡単にできる細工です。
先週土曜日に、複数のブログで写真の信憑性が話題になり、それを知ったロイターは調査を開始し、日曜日にハジから、写真には取り除きたい埃が付着していたという説明を受けました。しかし、ロイターはこの日のうちにハジとの契約を無効にしました。もともと、ハジは主にスポーツ写真を専門としており、畑違いの仕事をして誤りを犯したようです。報道写真には、いかなる改ざんも認められません。解析のために画像に手を加えることは許されますが、それは明記しなければなりません。ロイターは今のところ、改ざんが行われたのは2枚だけとしていますが、メディアとしての信頼を維持するためにすべてを削除することに決めたようです。発見しにくい写真の改ざんを防止する目的もありそうです。
私もロイターの判断に賛成です。フォトショップでノイズを取り除く操作をするうちに、煙やフレアーの光を付け加える可能性はありません。ハジは明らかに言い訳をしており、そういうカメラマンを雇い続けることはできません。
さらに、ハジが作成した写真が載っているブログを投稿者が見つけて送ってくれました。なるほど、これではすぐに化けの皮がはげるでしょうね。投稿者はなぜスポーツ・カメラマンが戦場カメラマンになったのか疑問を持っておられます。これは、単純に彼がレバノン人で、現地で活動しやすいからでしょう。月曜日にはハジとは連絡が取れなくなったようなので、改ざんの動機は分かりそうにありません。
戦争において情報戦が行われるのはごく普通です。いや、日常にも実は情報操作は氾濫しています。特に、現代においては、テレビがその役割を担っています。また、情報操作のように思えたものが、実は偶然の積み重なりでそう見えたということもあります。それを常に見抜くのは難しいのですが、日々、注意を怠らないようにするしかありません。(スパイク)
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投稿者:どろ 日 付:2006.8.3
スパイクさん、こんにちは、どろです。 イスラエルは本格的に侵攻を始めました。 ビントジュバイルの戦闘についてスパイクさんが予測しておられる事態が現実化しないことを祈っていましたが、悲劇は逆にレバノン全土まで広がってしまいました。
ところでレーザー誘導装置GBU-37/Bの件ですが、次のサイトに変な記述があったので首をかしげています。
http://www.designation-systems.net/usmilav/asetds/u-g.html
カナの爆撃現場で発見された破片に記してあった爆弾の型式「MK84」に取り付ける誘導装置は本来なら「GBU-36/B」のはずで、「GBU-37/B」は「BLU-113/B」に取り付ける装置だというのです。
「BLU-113/B」とは、あの有名なバンカーバスターのことですよね。 地下基地攻撃用の貫通型爆弾で、炸薬量は1トンどころか2.5トンもあるやつです。 1トンの爆弾を制御する装置を2.5トン爆弾に取り付けたって、まともな誘導はできないと思うのですが。 これは一体どういうことでしょう。
これは分かりませんね。でも、両者が同じものとは考えられません。MK-84は書き間違えなくても、「37」を「36」と書き間違える可能性はありますから、ワシントン・ポスト側のミスと考えた方がよいのではないでしょうか? それ以外に理由は考えられません。それにしても、このサイトの情報は非常に詳しくてよいですね。(スパイク)
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投稿者:どろ 日 付:2006.8.1
すみません、どろですが、もう一つ忘れていました。
ワシントンポストの記事には
It read, "For use on MK-84, Guided Bomb BSU-37/B (ASSY) 96214-700922-6."
とありますね。 Guided Bomb とは誘導弾ではないのですか?
投稿者:myu5 日 付:2006.8.1
スパイク様、こんにちわ。
貴サイトは神浦様のサイトと共に、毎日拝読させて頂いております。
さて、「誤爆の可能性が高いカナ空爆」についてですが。ワシントン・ポストの記事中に「Guided Bomb」とあるのでレーザーまたはGPSによる誘導爆弾だった可能性があるように思います。
「Bomb Stabilization Units」というのは、普通の爆弾の尾部に追加するフィンで、ご指摘のような落下速度を低下させる機能のもの(リターダ)もありますが、誘導爆弾に使うフィンも同じ名前で呼ばれるようです。
それから、使われたのがMk84 2000ポンド(約1トン)爆弾であるとするならば、意図はどうあれ建物(ビル)を目標としていた可能性が高いように思われますが如何でしょうか? (軍用車両や通常の陣地などを狙うならば500ポンド爆弾を使うのが普通であると思われます)
では、失礼致します。
同じ件でお二人からご意見を頂きましたので、同じ欄に掲載します。
おっしゃるとおりです。はっきり分からなかったので、ついぼかした書き方にしたのですが、類似する型番で誘導爆弾用のアタッチメントがあることに気がつきました。「BSU-84/B」というMK-84の後部に取りつける翼で、先端に付ける誘導制御ユニットと共に、レーザー誘導爆撃を行う部品があります。従って、爆弾の落下を抑制する装置ではなく、レーザー誘導爆撃のための部品と考える方が合理的です。
イスラエル軍がランチャーを狙ったのか建物を狙ったのかいずれかですが、確かにより強力なMK-84を使った点からは建物を狙った可能性は否定できませんね。ワシントン・ポストによると、イスラエル軍当局者は、建物はランチャーから100〜300m離れていたと言っていますから、レーザー誘導爆撃でそんなに外したとは考えにくいですね。この種の爆弾のCEPは最良の条件下では1mといわれます。しかし、レーザーに不具合が出る場合が多く、その場合は大きく外れるようですが、最近はGPSも使う形に切り替わっています。BSU-37/Bがどんな仕様なのかが分かれば、原因は多少切り分けできるでしょう。
同じ当局者は、民間人が建物にいたとは知らなかったと述べています。しかし、無人偵察機で監視をしていたのならランチャーの周囲の状況も調べていたはずだと思います。
記事には加筆しておきます。ありがとうございます。(スパイク)
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投稿者:どろ 日 付:2006.8.1
スパイクさん、こんにちは。毎日克明な情報を有り難うございます。 きょうは質問があります。
>イスラエルが公開した無人偵察機が撮影したらしい映像からすると、ミサイルがほとんど同じ場所から発射されていることから考えて、車載のカチューシャ・ロケットが写っているように見えます。
車載のカチューシャ・ロケットの射程とはどれくらいあるのでしょうか。 地図ではカナからイスラエルとの国境までは11Km以上あるようですが、そんなに飛ぶのですか? それともイスラエルの前進部隊を狙ったのでしょうか。あまり命中精度の高くないロケット弾のように思いますが。
このサイトでは、初めての質問ですね。ありがとうございます。
ですが、7月31日の記事に張ったリンクに実は答えが書かれています。(笑)
一番最後のリンクの「FADJR-5」の資料の写真に最大射程75kmとあります。CEPは今のところ分かりません。「FADJR-5s」も同等の射程距離と考えて差し支えないでしょう。イスラエル軍がリタニ川まで進撃したとしても、「FADJR-5」の発射を食い止めることはできません。よって、イスラエル軍の戦略目標では、精々短射程のミサイルを無力化することしかできず、長射程のミサイルは空爆で叩き続けなければなりません。そこで、イスラエルはヒズボラに「武装解除しろ」と迫り、ヒズボラは拒否するという、ゲーム理論そのままの行動を取ることになるわけです。
ちなみに、このミサイルはイラン製となっていますが、旧型の「Fajr-3」が北朝鮮が開発した「M-1985」と同じものなので、これも北朝鮮製ではないかという意見もあります。(スパイク)
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