当然のことですが、翻訳書の評価には訳文の出来も関係すると考えなければなりません。
しかし、数百ページの外国語を日本語に訳したとき、完璧な訳ができあがることは少なく、どこかは間違っていたり、誤訳とはいえないまでも不適切であったりするものです。これは大抵の翻訳書に見られることであり、翻訳書を読んで気なる部分がまったくないことは、むしろ珍しいほどです。そこで、特に問題が大きくない限りは、こうした問題は書評には含めないこととします。原書を確認するまでの手間はかけられません。
ただ、注意を喚起した方がよいと考えられる場合は記述することもあるかも知れません。また、すでに書いてしまったものは、そのまま掲載しています。
なお、気になる訳文については私から出版社に対して指摘し、改善をお願いするようにしています。