当サイトに質問を送ってくれたこともある泥憲和氏が書いた本を紹介します。
安倍政権の集団的自衛権行使に反対で、第9条を含めた憲法改正にも反対で、従軍慰安婦問題の政府解釈に疑問を感じているのなら、ぜひとも読むべき本です。この本はこれらの疑問にすべて答えています。
当サイトでも、これらの問題について安倍政権が間違った主張を繰り返しているとして指摘し続けてきました。
昨今は、政府の説明を後押しする本が数多く出版され、それに同調する人たちが増えています。そして、この種の本には間違いが多く、読者は内容を信じて疑わない傾向があります。立派な肩書きを持つ専門家が、政府の肩を担ぐために嘘をつくのです。
かつて私は、小林よしのりの「戦争論」を読んで、すぐに事実誤認を大量に見つけたことがありました。しかし、本の支持者にこうした本の誤りを指摘しても、彼らは容易に認めようとはしないものです。
そういう人たちは、インターネットが普及する前、パソコン通信の時代から存在しました。私は当時から彼らを好きになれませんでした。いつの間にか、そういう人たちはネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれるようになり、安倍政権誕生後は、その地位まで高まってきたようです。この本は、そんな人たちに疑いの余地すらなく、問題点を解説し、間違いを指摘してみせます。
具体的な内容の実例はここには書きません。ぜひとも本を読んでください。
もちろん、ネトウヨ以外の人たちにも、この本は素晴らしい勉強をさせてくれます。私にとっては、従軍慰安婦に関しては未知の部分も多く、大変参考になりました。
集団的自衛権では、政府が主張する行使要件のすべてが、起こり得ないとか、起こりがたいこと。憲法を改正すると、逆に戦争が起こりやすくなること。従軍慰安婦に関して流布されている情報に嘘が多いこと。
これらを実例を交えて、泥氏は明快に解説してくれます。戦争に関する豊富な知識を元にしているので、その内容は信頼できるものです。このように軍事知識を平和に生かすという発想が、日本には欠けていました。安倍晋三のような人が政治に台頭する時代には、正確な軍事知識は一層必要なのです。(2015.1.21)