海自マニア!
 それにしても、この本のタイトルは何とかならないのでしょうか? マニア向けの本は紹介するつもりはありませんが、この本はイラストが良質で、海自の武器について把握するには最適なので取りあげました。

 シンプルでデティールをよく表現したイラストと写真が海上自衛隊の現用と未来の兵器について教えてくれます。非常に読みやすいところが評価できます。しかし、内容が優しそうだからと言って、海軍に明るくない人が読んでも目移りするだけでしょうから、その前に海軍の基本的なことを知ることをお勧めします。ある程度知識がある人が、海自の兵器の詳細を思い出すのに使うのが最良の使い方だと思います。なにしろ、細かいデータはよく忘れるもので、調べたい時にすぐに知りたい情報をまとめてある本は重宝します。艦船に搭載される兵器の他、居住区域に関するイラストもあり、訓練の内容、幹部候補生学校に関する情報もあります。これらが140ページほどにまとめられています。この手軽さがこの本の最大のポイントです。

 この種の本における最大の問題は、ここに書かれている兵器や隊員たちに何ができるのかがまったく触れられていないことです。根本的にメカニックに対する興味を満たすように書かれているので、軍事力としての運用方法はこの本を読んでも分かりません。まして、米海軍と共同だと何ができるのかは、他に勉強する必要があります。一般的な日本人にとって重要なのはそうした情報で、日本の自衛力が隣国に脅威を与えていないかなど、本当に知りたいことは編集テーマから外されています。韓国海軍は海上自衛隊の戦力を非常に気にしており、現用兵器では日本が攻めてきたら戦力で劣ると心配しています。

 こうした欠点はあるものの、やはり手頃で良質な情報がまとめられている点で、この本をお勧めします。この本を読んでから、海自の体験航海に参加すれば、とりあえず海自に関する基本的な理解が得られることでしょう。(200.1.18)

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