ビック氏が防衛庁のマップを否定

2006.7.18

 ビック氏に日本で報道された情報のいくつかを示したところ、いくつかコメントをもらいました。提供したのは、防衛庁が5日に発表した図面、「きょうの出来事」が報じたミサイルの着弾位置に関する番組の映像です。

 ビック氏は防衛庁の一覧表について、すべてのミサイルが10分間も飛んだことになっているのはまったくの誤りだと述べました。スカッドCの飛行時間は5分強、スカッドXは7分間、ノドンAは10分間、テポドン2は2分間だったと国防総省が公表しているとのことです。防衛庁の資料はなぜか10分単位で書かれているように思われますが、なぜがこういう書き方をしたのかが分かりません。秒単位での対応が必要なMDに対して不安を抱かせるだけだと思います。

 また、ビック氏はこの図を基に作成されたと考えられる毎日新聞を入手しており、その図のテポドン2の着弾位置は誤りだと述べました。テポドン2が空中分解をした後、2分間飛んでもここまで到達しないのです。つまり、防衛庁が発表した図のテポドン2の着弾位置も誤りなのです。テポドン2の落下場所は私も以前から気になっていました。日本海に出る前に墜落した可能性すらあるからです。海自のイージス艦はテポドン2の高度が低すぎて測定ができなかったという情報もあります。測定ができなかったのに、落下地点が分かったと発表したのは変です。改めて図を見ると、1発目から3発目までの着弾位置はアメリカの早期警戒衛星による測定結果と同じです。防衛庁は自分で測定できなかったものはアメリカの情報に依存しているのかも知れないと、私は考えます。逆に言えば、防衛庁はアメリカから早期警戒衛星の情報しかもらっておらず、その後の解析結果は知らされていないとも考えられます。さらに勘ぐると、わざとテポドン2の性能を高く宣伝したいとも見えます。

 やっと日本政府から出てきたと思った情報にも、これだけの重大な誤りが見られます。政府はいつまでこのおかしな状態を放置しておくつもりなのでしょうか。政府は訂正する気がまったくないように見えます。
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