globalsecurityの最新解析データ

2006.7.21

 ミサイル問題はひとまず終了と書きましたが、記事が更新されて一部の情報が変更されたので掲載します。

 今回の更新で、テポドン2打ち上げの直前に発射されたというミサイルが表から消えました。ミサイルの種類や飛行距離がさらに絞り込まれています。一部に私が提供した日本の情報も含まれているようです。もちろん、これが結論ではありません。この一覧表はこれからも更新されていきます。また、あらゆる公開情報を合理的に分析した結果ですので、誤りが含まれている可能性は常にあります。

20日更新の一覧表
順番 発射時刻 飛翔距離
(km)
ミサイル
1
3:30 - 3:32 - 3:33 510 スカッドC
2
4:00 - 4:04 - 4:11 620 ノドンA
3
4:59 - 5:00 - 5:01 0.5 - 8.4 テポドン2
(TD-2A,、TD-2B、 TD-2C)
4
7:10 - 7:12・7:13 - 7:18 420 - 550 スカッドC
5
7:30 - 7:31・7:32 - 7:38 420 - 500 スカッドC
6
8:17 - 8:22 420 - 600 スカッドER、ノドンB
7
17:20 420 - 600 スカッドER、ノドンB
8
不特定 不特定 不特定
9
不特定 不特定 不特定
10
不特定 不特定 不特定
TD-2はテポドン2の初期型のこと。テポドン2の型式は、TD-2A,、TD-2B、 TD-2Cの3種があり、2Cはテポドン3と呼ばれることもあります。

 それから、読売新聞が20日が、郭伯雄(クオ・ポーシュン)・中央軍事委員会副主席が19日、ワシントンの国防大学で行った講演での質疑応答において述べた見解を報じました。これは非常に重要です。

  • 中国が得た発射の一報は「米情報機関を情報源とする報道」で、「北朝鮮筋からの情報はあいまい」で、発射の証拠をつかむのに手間取った。
  • 「北朝鮮は現状について独自の見方をし、独自の行動を取る。中国が何をしろとか、するなとか強制できない」

 これでは北朝鮮に対する中国の影響力は期待できません。中国にすれば北朝鮮を延命させた方が自国の安全保障にとって利益になるという考えがあります。最も怖いのは、中国、北朝鮮、イランの三カ国がミサイルに関して連帯することです。この連帯自体が不安定なものですし、中国が北朝鮮を監督し切れない以上、暴走の危険をはらんでいます。私自身、もっとこの分野の情報収集が必要だと感じます。

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