イギリスで、航空機を狙った大規模なテロが摘発されたという報道があり、アルカイダの関与が疑われていますが、詳細は不明です。
BBCによれば、今回の事件は、かつてアルカイダが計画した「ボジンカ作戦(Operation Bojinka)」に類似しており、そのために犯人グループがアルカイダとつながっている可能性があると考えられているようです。しかし、こうした有名な事件は詳しく報道されており、アルカイダと関係がなくても、類似する作戦を実行することは可能です。ボジンカ作戦で使われる予定の爆弾は、1994年12月11日、マニラ発成田行きフィリピン航空434便でテストが行われました。南大東島沖上空に差し掛かった時に爆発し、日本人男性 1 名が死亡したのです。犯人グループは同じ構造の爆弾を使い、1995年1月21日に別の事件を起こす予定でしたが、事前に発覚して逮捕されました。このために、この爆弾の構造は明らかになっています。この爆弾が液体爆弾であったことから、今回の事件との関連性が言われているようです。アルカイダからの資金や物資などの支援が確認できない限り、単にアルカイダにシンパシーを感じた者たちの犯行であることを否定すべきではありません。
むしろ、その方が事態は深刻です。アルカイダ以外にも反米勢力が拡大し、実力を行使する状況が生まれている方が、世界にとっては脅威です。しかも、犯人グループには、イギリス生まれのパキスタン人が多いということですから、波及の規模は大きいとみなさなければなりません。事件の真相は今後の発表を待つ必要がありますが、テロの拡大という点に注意して眺める必要があります。