イスラム法廷が港湾を奪取

2006.9.25

 24日付のBBCの記事によると、イスラム法廷がソマリア国内での勢力を増しています。イスラム法廷の戦士たちが同国の港湾都市キスマヨ(場所はBBCの記事中の地図に明記されています)を制圧しました。街を支配していた地方の武装組織は40台ほどのトラックに乗って立ち去ったために戦闘にはなりませんでした。また、何千人の住人も街から逃げ出したということです。

 イスラム法廷は、ソマリア国内の都市を次々と支配下に置いています。今月のはじめ、アフリカ連合はソマリア暫定政権の要請で平和維持軍を派遣しましたが、暫定政権が保持するのはバイドアのみで、イスラム法廷はバイドアも奪取すると宣言しています。暫定政権のユスフ大統領は最近暗殺未遂事件に巻き込まれ、命を落とすところでした。事件が起きたのがバイドアだというのですから、もはや暫定政権の命運は風前の灯火です。

 イスラム法廷は厳格なイスラム主義世界を指向しているため、アルカイダと政治目的が共通しています。今後、アルカイダとの結びつきを強めるのは自然な流れです。最近、またオサマ・ビン・ラディンの死亡説が流れましたが、本当に彼が死んだところでアルカイダの流れは止められません。イスラム法廷の戦士がアルカイダのテロ攻撃に参加する可能性を考えていく必要があります。こうして、イスラム過激主義が拡大していくのに、アメリカはまだイラクとアフガニスタンにこだわり、そこをテロ拡大の温床にし続けています。アメリカは早く指導者を交代し、正しいテロ対策へ軌道修正する必要があります。

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