米軍将官がラムズフェルドを批判

2006.9.26

 military.comによると、イラクのアンバル州の兵力不足への対処として、第1機甲師団第1旅団の任務が延長されます。同旅団4,000人は1月初旬にドイツへ戻る予定でしたが、2月まで任務に就くということです。

 また、退役将官が議会でラムズフェルド国防長官を批判しました。ジョン・R・S・ バチスト退役少将とポール・イートン退役少将、ポール・X・ ハンメス退役大佐が民主党の上院の民主党の政策委員会で証言しました。将官が国防長官を批判するのは異例です。バチストは「ビッグ・レッド・ワン」とも呼ばれる第1歩兵師団の師団長を務めました。

  • バチスタ 「私は、ラムズフェルド国防長官と政権内のその他の人々は、イラク戦争への支持を失うことを恐れてアメリカ国民に真実を話さなかったと信じます」

  • イートン 「戦略上、作戦上、戦術上の無能力…。ラムズフェルド氏と彼の側近たちを交代させないと、飛び抜けて誤った決断をさらに2年以上みせられることになります」

  • ハンメス 「リーダーシップ面における深刻な道義上の失敗。アメリカは1941年と同じ装備で1944年にフランスを進撃しろとは命じませんでした。なぜ、我々は2003年に問題が見つかったのと同じ装備を陸軍や海兵隊に使わせるのでしょうか」

 バチスタは、ラムズフェルドがある時、次にイラク戦の戦後プランを口にした者は首にすると言ったとも指摘しました。これは、ラムズフェルドがイラクを占領すれば、それで戦争が終わると考えていたことを意味します。また、部下が何か言いたそうにしている時は耳を傾けた方がよいという教訓にも反しています。バチスタは、疑問を提示しなかった議会の態度も批判しています。

 この3人はイラクで重要な任務に就き、現在は軍事関係の研究職に就くなど、軍の中枢にいた人たちです。普通は不満を口にしない人たちが、公的な場で国防長官を批判したことは大きな動きだと言えます。

 もちろん、共和党は猛反発しています。中間選挙の6週間前というタイミングで、この証言が出たのは致命的です。

 ラムズフェルドは一角の人物ではあると思います。粘り強く問題に当たる点は評価できます。若い頃、アマチュア・レスリングの選手だったことが、そうした性格を育てたのでしょう。しかし、軍事の常識を軽く見て多くの誤りを犯した点で、総合評価はマイナスにせざるを得ません。戦争は複雑な現象で、細かく状況を観察し、思い切った方策を選ばないと失敗するものなのです。それに、軍事的手段は常に最後の手段で、それに依存するような使い方はすべきではありません。昔から言われるように、戦争は賭け事と同じで、我々にできるのは精々勝率を高めることだけだからです。

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