和平案の報道は死体でいっぱい

2006.10.3

 目が丸くなるような記事がmilitary.comに載りました。「イラクの首相が和平計画を発表」というタイトルの記事です。マリキ首相がシーア派とスンニ派の派閥抗争を止めさせるための4点計画を発表したというのですが、その具体的内容がまったく載っていないのです。

 そのかわりに書かれているのが、最近起きた暴力事件の数々です。月曜日のバグダッドで14人のコンピュータ店の従業員が襲撃された事件。日曜日の倉庫の従業員24人が襲撃された事件。これらをはじめとして、記事の終わりまで事件のレポートが延々と続くのです。なので、マリキ首相が立てたという和平計画については説明らしい説明がありません。普通、4点の具体的な内容を書いてあると思うのですが、首のない死体が7体見つかったという話しか書かれていないのです。

 ひょっとしたら、Iraq Sunに何か載っているかも知れないと思ったら、トップニュースは死体が50体発見され、海兵隊員が2名殺されたという記事で、目当ての記事は載っていませんでした。また、複数の共和党の議員が「アフガニスタン戦は勝てない」との見解を示したという別のmilitary.comの記事もあります。タリバンは数が多い上に、大衆の支持を受けており、打倒するのは困難だというのです。

 もはや、何をコメントしたらよいのか分からないという気持ちです。

 追記:その後、NHKのニュースで、マリキ首相の対策とは、スンニ派とシーア派の指導者合同の治安委員会を作ることだと分かりました。これで解決することなら、とっくに解決していることで、この対策は決して成功しないと考えました。

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