バグダッドの米軍弾薬庫が炎上

2006.10.12

 忘れてはいけないのがイラク情勢ですが、military.comによると、昨日バグダッド南部にあるファルコン作戦基地の弾薬庫が武装勢力に攻撃され、大爆発を起こしました。この攻撃で死者は出なかった模様です。

 戦車や火砲、小火器用の弾薬が何時間もに渡って爆発し、炎上しました。その模様は何マイルも彼方からも見えたということです。旧バース党のメンバーも含まれるとされる武装勢力のイスラム軍がウェブサイト上に「神の助けにより、イスラム軍の迫撃砲とロケット砲の部隊が2発のロケット砲弾と3発の迫撃砲弾によって米軍基地を攻撃した。ロケットと迫撃砲弾は弾薬庫に落ち、誘爆を引き起こした。爆発の音はバグダッドに響いた」との犯行声明を出しました。米軍は火災の原因は不明としており、犯行声明の真偽は確認されていません。米軍は、弾薬庫には大量の弾薬があったが、すべてではないので作戦活動に支障はないとしています。しかし、この大成功により、今後、弾薬庫への攻撃が増える可能性があります。犯行声明に攻撃方法が書かれているのは、他のグループへ攻撃のポイントを教えるためでしょう。米軍は当然、この程度の攻撃に耐えられるように、弾薬庫を改善したいと考えるでしょう。

 9日には、スンニ派のハシミ副大統領の兄弟が殺害され、ハシミ氏はこれで3人の家族を失いました。民間人の虐殺も増加しています。もはや、シーア派の優勢に傾いているのは明らかで、いずれイランの支配下に置かれるのは目に見えています。そうなるとアメリカは核兵器を持っているかも知れないイランと対峙することになり、話がややこしくなっていきます。

 このようにイラクの情勢は刻々と悪化しています。米軍は2010年までの駐留計画をすでに立案しています。しかし、ブッシュ政権は何とかして状況をよく見せかけようとしています。最終的には、正確なところを答えざるを得なくなるでしょうが、それまでにはまだしばしの時間がかかると見るべきです。

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