死因の分類には少し説明が必要です。「敵対行動(種別不明)」は、武装勢力の攻撃が原因で死んだのは間違いがないのですが、原因が特定されていないものです。これらには、小火器、手榴弾、IEDなどすべてが含まれると考えられます。「非敵対的な原因」は、戦闘とはまったく関係がない事故、病気、自殺などが含まれます。
グラフからすぐに読み取れるのは、「非敵対的な原因」が減り、「小火器」が2倍に増えていることです。その他の数値はほとんど変化が見られないのに、小火器による攻撃が増えているということは、武装勢力が以前のように隠れてばかりいないで、攻撃に出てきていることを意味します。一時、小火器による攻撃が激減した時期がありましたが、その状況が変化しているのです。我々は、これまで米軍が武装勢力を逮捕し、彼らの武器庫を見つけ、武器を取りあげるニュースを見てきました。それが、今になって襲撃が増えたというのです。これでも、チェイニーとラムズフェルドは失敗を認めないでしょう。
戦争の定石をわきまえない軍事行動は失敗すること。軍事に明るい者を政府内に置き、戦争を避ける方向で戦略を考えさせること。これらはイラク戦の教訓として忘れてはなりません。中間選挙のあとでイラク戦略の見直しが行われ、この愚行も幕引きの準備がはじまります。しかし、私たちはこの戦争を起こしたアメリカ人の顔を、アメリカの尻馬に乗った日本の政治家たちの顔を忘れるべきではありません。誰がどのタイミングでどんなことを言っていたか、メモを作っておくと、選挙の投票のよき判断材料となるでしょう。