対テロ戦でようやく二つ目の名誉勲章

2006.11.11



 armytimes.comによると、対テロ戦で、ようやく二つ目の名誉勲章が授与されることになりました。ベトナム戦争以降では、初の海兵隊員の受勲となります。

 2004年4月14日、ジェイソン・ダナム伍長(22歳)は、シリア国境に近いカラビラ(Karabilah)で、検問任務に就いていました。そこへ輸送隊が待ち伏せ攻撃を受けたとの報告が入り、ダナムは分隊を率いて、襲撃場所へ急行しました。ダナムが車両を捜索しようとしたところ、武装勢力が飛び出し、彼の喉をつかみ、白兵戦となりました。ダナムは味方に「ノー、ノー、ノー。奴の手を見ろ」と叫びました。武装勢力が安全ピンを外した手榴弾を落とすと、ダナムは防弾ヘルメットと自分の体で手榴弾を覆い、爆発から仲間を守ろうとしました。しかし、手榴弾の破片が頭骨を貫き、彼は8日後に死亡しました。

 対テロ戦争では、これまで陸軍のポール・レイ・スミス一等軍曹が名誉勲章を受勲しただけでした。また、他に2名の海兵隊員が名誉勲章の候補にあがっているとのことです。対テロ戦争は、犠牲が多い割に名誉勲章が出ない変な戦争となっていましたが、これで少し形になったようです。

 名誉勲章は南北戦争時に制定された勲章です。民間人を含め、戦争で顕著な活動を行った者に与えられ、最初は医療活動で受勲した人も多くいました。最近は、殉職した軍人に与えられることが増えました。存命中に受勲すると、恩給が増えるとか、除隊後も制服を支給され、着用が認められるなど、さまざまな恩典があります。受勲者の子供が無受験で士官学校に進学できるという話がありますが、これは嘘です。当然、入学試験に合格しないと入学できないのですが、その際、生徒の定員に関係なく合格が認められる便宜が図られることになっています。

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