なにもかも後手のイラク政策

2006.11.22



 シリアが早々にイラクと国交を回復し、またしてもアメリカの立ち遅れが目立つ状況となってしまいました。アメリカはイラク政策の転換と、当面の治安維持対策、米兵の軍事裁判に追われています。

 military.comによると、米軍とイラク軍がバグダッド市内のサドル・シティを襲撃し、先月誘拐された米兵の情報を握っていると考えられている1名を含み、7人の武装勢力を拘束しました。1ヶ月近く経っているのに人質がまだサドル・シティ内に拉致されているとは考えにくく、この捜索はほとんど意味がないと思えます。

 同紙によれば、ハムダニヤ事件の裁判において、被告のロバート・B・ ペニングトン兵長(22歳)が、捜査官から死刑になると脅迫され、弁護士をつけてもらえなかったと抗議しました。検察官はペニングトンは以前にも嘘をついているので信用すべきでないと反論しました。海軍犯罪捜査部(NCIS)の捜査官2名は、ペニングトンは容疑者の権利を理解していたのに弁護士を要望しなかったし、死刑になると脅迫もしておらず、ペニングトンの権利を侵害していないと主張しています。

 ブッシュ大統領は完全に死に体で、ベイカー委員会の勧告が出るのを待っている状態です。もはや、チェイニーやラムズフェルドからの発案は議会や国民の支持が得られず、頼りはパパの懐刀のベイカー委員会しかないのです。ブッシュ大統領は自らを「戦時の大統領」だと呼びましたが、今の姿を見ればそれが嘘だったことが分かります。彼にそんな頭脳がないことは最初から分かっていたことです。問題を作る奴は、決して自分で問題を解決できないのです。こういう人物が大きな問題を起こす前に本質的な性質を見抜くこと、決して彼の話に乗らないこと、が大事です。

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