クリスマスが近づいているためか、最近、アメリカのテレビニュースではイラク・アフガンから帰国した子供がいる女性兵士の話題が取りあげられることが増えています。母親が子供と再会する話は、クリスマスの幸せな雰囲気に相応しいのでしょう。ワシントン・ポストも、州兵のリアナ・ニシムラ軍曹を取りあげて、女性兵士の話を報じています。
イラク・アフガンに派遣された女性兵士は155,000人以上です。その内、16,000人はシングル・マザーで、これは前例がないほど大きな数です。軍には「ファミリー・ケア・プラン」があり、子持ちの隊員が派遣されている間、子供を預かれる家族がいない子供ために、里親を用意しています。
この記事を読む限り、こうした家族の負担は大きいもののようです。シングル・マザーにとって、育児のために十分稼げる仕事に就ける可能性は低く、その為に軍務に就くことが増えていると考えられます。ニシムラ軍曹は3人の子供がいるシングル・マザーで、高校で教師とチアリーダーのコーチを務めていました。離婚した夫は養育費を支払いましたが、彼女は公的扶助を受けて生活していました。州軍に志願したのは、おそらく養育費のためなのでしょう。
帰国後、ニシムラ軍曹は心的外傷後ストレス症候群であることが判明し、礼拝堂勤務の牧師の助手に配置換えされました。彼女は通信大隊の技術者で戦闘は経験していませんが、激戦地のティクリートにいたことが原因でした。悪夢、不眠症、突然泣き出すなどの症状が出てました。爆弾が爆発する中を自分の子供を背負ってほふく前進をしたり、いなくなった子供を捜し回ったりする夢を見るようになりました。それでも、彼女が再び派遣される可能性はまだ残されています。
無事に帰ってこられた人にも犠牲は少なくありません。私はこうした問題を軽視する人を信じることができません。
余談ですが、この記事には民間航空会社が行っている「オペレーション・ヒーロー・マイル」という慈善事業が書かれています。これは軍人にマイルを寄付し、申し込みをした軍人が無償で航空券を手に入れられる制度です。アメリカに数多くある兵士を支援する制度の一つのようです。