エチオピア軍はモガディシュを包囲しました。ワシントン・ポストの記事では、歩兵だけでなく、戦車やヘリコプターも投入しているようです。こうなると、RPGと迫撃砲しかないイスラム法廷会議は、防御力が期待できる市街地に籠もるしかありません。
このまま包囲を続けて、イスラム法廷会議のメンバーが撤退したり、降伏するのを待つのでしょう。しかし、イスラム法廷会議は、少しでも持久して、ゲリラ戦を行おうとするでしょう。エチオピア軍は単に町を取り囲むのではなく、始終、偵察を出して、市内の動きを観察します。イスラム法廷会議も、突出しているエチオピア軍部隊を攻撃して、戦果をあげようとします。膠着しているように見えますが、互いに圧力を掛け合うのが包囲戦です。
そうなると、エチオピア軍の体力が尽きないように、先進国が経済的な援助を行うといった動きが出るかも知れません。アメリカがエチオピア支援を発表した以上、かつての支援国ロシアが黙っているとは思えませんし、もっと遡るとイタリアが声を上げたくなるかも知れません。いずれにしても、目的から外れない形で援助をして欲しいと思います。そもそも、ソマリアは大国の面子の嵐のために国が疲弊した面があるのです。また、モガディシュ市内に留まっている市民たちへの支援も欠かせません。支援物資がイスラム法廷会議に取りあげられてしまう恐れがあるので、特に注意が必要です。この辺は国連が主導して上手く調整して欲しいと思います。大国が勝手に動き回ると、状況を悪化させるかも知れません。
国際赤十字連盟は、この戦いで800人が負傷したと報告しています。昨日、エチオピア軍が1,000人以上のイスラム法廷会議のメンバーを殺害したと発表したことに触れたのは、この数が誇張されているように感じたからですが、やはりそのとおりであったのかも知れません。戦況をつかむために、もっと情報が欲しいところです。