キスマユ陥落、イスラム法廷会議は敗走

2007.1.2



 BBCによると、イスラム法廷会議が籠城したキスマユはあっけなく陥落したようです。エチオピア軍の航空機、戦車、火砲に支援された軍が進撃し、キスマユ市内に入りました。地雷と仕掛け爆弾に注意しながら掃討を進めています。

 イスラム法廷会議は当然ながら、ケニア国境に向けて後退中です。記事には書かれていませんが、二つある幹線道路の内、海岸に近い方を逃げているのだと思われます。ケニアが国境に兵を配備したかどうかも記事に書かれていません。ケニア軍は装甲車や戦車を持っていますから、トラックに機銃を据え付けた「テクニカル」しかないイスラム法廷会議では歯が立ちません。つまり、国境線で撃退されることになります。イスラム法廷会議が本当に3,000人もいるのなら、補給を考えるとそう長くは持ちません。まだ報道されていませんが、キスマユは略奪にあったでしょうし、彼らの逃亡経路ではどこでも略奪が起きているはずです。末端の兵士たちは追いつめられて自棄を起こしているでしょうし、指導者たちは海路で逃亡する準備をしているかも知れません。ソマリア、エチオピア、ケニアは、ケニア国境でイスラム法廷会議を殲滅する必要があります。ケニアは国境線上からソマリア領内を射撃する許可をもらう必要がありそうです。両国が共同でエチオピア軍がイスラム法廷鍵を空爆できるようにする必要もあります。

 政治的な動きを見ると、ケニアのムワイ・キバキ大統領は東アフリカ諸国にサミットを呼びかけています。ソマリアのアリ・ムハンマド・ゲーディ首相はアフリカ連合に調停者を派遣するように要請し、イスラム法廷連合の指導者を除いて恩赦を与える方針です。アフリカ連合を巻き込む終戦方法は、エチオピアが領土的な野心を持たないことを示し、ソマリア暫定政府も国際ルールに則って事件を処理することを宣言することにつながり、歓迎すべきものです。東アフリカに反イスラム過激主義が定着するよう、ヨーロッパを中心とした国際社会の協力が必要です。今のところ、政治的な動きは悪くありません。

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