イラク政府が処刑映像の撮影者を調査中

2007.1.3



 military.comによると、イラク政府もフセインの処刑の模様を不適切だったと思ったようで、「ムクタダ師」の名前を叫んだものと、公式のビデオ撮影ではなく携帯電話で撮影した映像を漏らした者を調査中とのことです。

 公式に撮影されたビデオ映像は音声を絞ってあり、フセインが吊された状況は撮影しませんでした。携帯電話の映像には、絞首台の床が開いてフセインが落ち、ぶらぶらと揺れ、目が見開き、首が激しく(体の)右側に曲がっているところが写っています。

 死刑に立ち会った検察官によると、2名の政府高官が携帯電話を持っていましたが、他の者たちは事前に電話を預けていました。恐らく、この政府高官が刺激的な映像を撮影して、アルジャジーラに送信したのでしょう。放映時点では、この映像はスクープでした。ウェブサイトに載ったのは多分、アルジャジーラの映像を転用したのだと考えられます。

 この記事を読んで安心するのは、イラク政府に宗派対立を煽らないようにする配慮があったことです。残念なのは、すでに映像が配信され、取り返しがつかないことです。すでにフセインの殉教者としてのイメージはできあがってしまったのです。アメリカに立ち向かった指導者として、彼のイメージはこれから何度もリサイクルされて利用されることに注意が必要です。

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