戦時によくあるトラブルがまた起こりました。military.comによると、陸軍が退役した将校5,100人以上に軍に復帰するよう促す手紙を送ったところ、約75人の戦死者や約200人の負傷者に対しても送ってしまったのです。陸軍は戦死者・戦傷者約275人の本人や家族に謝罪する意向です。原因は古いデータベースを使ってしまったためでした。
戦死の通知に関してはトラブルが起こりがちです。映画「ワンス・アンド・フォーエバー」でも取りあげられたように、陸軍がタクシー運転手に戦死通知を配送させて問題になったこともあります。家族の帰りを待つ方も、毎日報じられるニュースによって精神をすり減らし、中にはプレッシャーに耐えられなくなり、離婚を選択する人もいます。そのため、この種のミスは心の傷をさらにえぐるようなものです。小さな事でも、この種の事件はボディーブローのように効いてきます。また、軍が官僚組織であることを思い出させてくれます。
退役した将校に再志願を求めているということは、陸軍が即戦力を求めていることの表れでもあります。養成に時間がかかる将校が不足しないように、先に手を打っているわけです。しかし、どれだけの将校が再志願に応じるかは疑問です。いまやイラクで頑張っても成果は出せないと考えている将校はかなり多いはずです。宗教的な信念でもなければ、イラクへ戻りたいとは思わないでしょう。