民主党のイラク特措法廃止法案

2007.10.19



 民主党がイラク特措法を廃止する法案を提出しました。民主党のウェブサイトには、この法案がpdfファイルでアップロードされています。インターネット時代には、これが当然だと思います。自民党と公明党のウェブサイトには、閣議決定したことは書かれていますが、法案へのリンクが張られていません。これでどうやって国民の理解を得るのかと思いますが、すでに半数以上が対テロ新法に賛成という世論調査の結果もあります。ちょっと国民は物わかりがよすぎやしませんか。

 イラク特措法廃止法案の正式名は「イラクにおける自衛隊の部隊等による対応措置を直ちに終了させるためのイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法を廃止する法律案」です。

 ポイントを見ていきましょう。

  1. イラク特措法に基づく活動を順次終了させていき、最終的に全廃します。
  2. 自衛隊法のイラク特措法に関連する部分を削除します。
  3. 内閣府設置法からイラク特措法に関連する部分がなくなるよう修正します。(修正前修正後

 法案の内容を理解するのは、それほど難しくありません。

 この法案が通る見込みはありませんが、与党に圧力を加え、世論にアピールすることができます。あとは、国民がどう受け取るかでしょう。このほか、民主党は対テロ新法への対案を出すようですから、その内容に注目したいものです。


《イラク特措法廃止法案の原文》

イラクにおける自衛隊の部隊等による対応措置を直ちに終了させるためのイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法を廃止する法律(案)

イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)は、廃止する。

附則

(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。

(経過措置)
2 この法律による廃止前のイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(以下「旧法」という。)は、この法律の施行の際現に実施されている対応措置(旧法第二条第一項に規定する対応措置をいう。以下同じ。)の終了に関し必要な範囲内において、なおその効力を有する。

3 前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧法第五条の規定に基づく国会への報告は、国会による民主的統制に十分資するものでなければならない。

(自衛隊法の一部改正)
4 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
附則中第七項から第九項までを削り、第十項を第七項とし、第十一項から第十四項までを三項ずつ繰り上げる。

(自衛隊法の一部改正に伴う経過措置)
5 前項の規定による改正前の自衛隊法附則第七項から第九項までの規定は、この法律の施行の際現に実施されている対応措置の終了に関し必要な範囲内において、なおその効力を有する。

(内閣府設置法の一部改正)
6 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部を次のように改正する。

附則第二条第三項中「次の表の上欄に掲げる期間、それぞれ同表の下欄に」を「地方分権改革推進法(平成十八年法律第百十一号)がその効力を有する間、次に」に改め、同項の表を削り、同項に次の各号を加える。
一地方分権改革推進計画(地方分権改革推進法第八条第一項に規定する地方分権改革推進計画をいう。
次号において同じ。)の作成に関すること。
二地方分権改革推進計画に基づく施策の実施に係る関係行政機関の事務の連絡調整に関すること。

(内閣府設置法の一部改正に伴う経過措置)
7 前項の規定による改正前の内閣府設置法附則第二条第三項の規定は、この法律の施行の際現に実施されている対応措置の終了に関し必要な範囲内において、なおその効力を有する。

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《自衛隊法から削除される部分》

7  防衛大臣又はその委任を受けた者は、第三条第二項に規定する活動として、次の各号に掲げる法律が効力を有する間、それぞれ、当該法律の定めるところにより、当該各号に定める物品の提供を実施することができる。
一  平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成十三年法律第百十三号) 協力支援活動としての物品の提供
二  イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号) 対応措置としての物品の提供

8  防衛大臣は、第三条第二項に規定する活動として、次の各号に掲げる法律が効力を有する間、それぞれ、当該法律の定めるところにより、当該各号に定める活動を行わせることができる。
一  平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法 防衛省本省の機関又は部隊等による協力支援活動としての役務の提供並びに部隊等による捜索救助活動及び被災民救援活動
二  イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法 部隊等による対応措置としての役務の提供

9  次の各号に掲げる活動の実施を命ぜられた部隊等の自衛官は、それぞれ、自己又は当該各号に定める者の生命又は身体を防護するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、当該活動について定める法律の定めるところにより、武器を使用することができる。
一  前項第一号に定める活動 自己と共に現場に所在する他の隊員又はその職務を行うに伴い自己の管理の下に入つた者
二  前項第二号に定める活動 自己と共に現場に所在する他の隊員、当該職務に従事する内閣府本府の職員又は当該職務を行うに伴い自己の管理の下に入つた者

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《内閣府設置法の変更部分》

3 内閣府は、第三条第二項の任務を達成するため、第四条第三項各号及び前二項に掲げる事務のほか、次の表の上欄に掲げる期間、それぞれ同表の下欄に掲げる事務をつかさどる。

期間 事務
イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)がその効力を有する間 同法第二条第一項に規定する対応措置(自衛隊が実施するものを除く。)の実施に関すること。
地方分権改革推進法(平成十八年法律第百十一号)がその効力を有する間 一 地方分権改革推進計画(同法第八条第一項に規定する地方分権改革推進計画をいう。次号において同じ。)の作成に関すること。
二 地方分権改革推進計画に基づく施策の実施に係る関係行政機関の事務の連絡調整に関すること。

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《廃止法案による内閣府設置法の変更》

3 内閣府は、第三条第二項の任務を達成するため、第四条第三項各号及び前二項に掲げる事務のほか、地方分権改革推進法(平成十八年法律第百十一号)がその効力を有する間、次に掲げる事務をつかさどる。

一 地方分権改革推進計画(地方分権改革推進法第八条第一項に規定する地方分権改革推進計画をいう。次号において同じ。)の作成に関すること。
二 地方分権改革推進計画に基づく施策の実施に係る関係行政機関の事務の連絡調整に関すること。

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