ワシントン・ポストが、パキスタンにテロリズムが拡散していることを示す事件を報じました。はじめて、パキスタン国内で女性が自爆テロを実行しました。自爆はバンヌ(Bannu)にある警察の検問所で行われ、4人の警察官と自爆者を含めた11人が死亡しました。負傷者は22人で、7人は危篤状態です。現場は、パキスタン政府の治安が及ばないトライバル・エリアの間近です。2006年に一定の条件の下で検問に兵士を配置することを止めていたのですが、最近、治安の悪化を理由にパキスタン政府は兵士を検問に配備しました。以来、毎日のようにパキスタン軍に対する攻撃が起きていました。おそらく、今回の事件はこうした背景の元で起こったと考えられます。気になるのは、その背後にアルカイダがいるのかどうかということですが、やはり自爆テロという手法を用いたことで、アルカイダの関与は濃厚だと考えられます。イスラム国でも自爆テロは、それほど起こっていませんでした。それがアルカイダ以降、急増して女性までが参加するようになりました。この変化は無視できません。パキスタンの状況は非常に気になります。もし、ムシャラフ大統領が倒れ、パキスタンがイスラム原理主義に傾いたら、隣国のインドが黙ってはいないでしょう。インドではイスラム教は少数派です。ここでも宗教の対立が起こると、両国が核爆弾を持っていることから、この地域は急速に危険視されるようになります。
military.comによれば、アフリカのスーダンで、スーダン人民解放軍がハスカナイタ(Haskanita)の近くにあるアフリカ連合が派遣した国連平和維持軍の基地を襲撃し、隊員10名が戦死し、30名が行方不明です。生き残った者にはシェルショックの症状を発している者がいて、状況を説明するのが困難であるということです。攻撃は日曜日の早朝に始まりました。最初、平和維持軍は攻撃を跳ね返しましたが、午前4時に侵入され、スーダン陸軍が救援に駆けつけると、攻撃は総崩れになりました。スーダン解放軍は装甲車を含む30台の車両、RPG、迫撃砲などで攻撃を行ったということです。スーダン政府軍は国連軍を助けると同時に、なぜか基地から物品を略奪しました。スーダン人民解放軍は、スーダン人民解放軍は非宗教、非アラブで、スーダンの民主化と地方分権を目指す組織です。国連軍を襲撃した理由が分かりません。ウェブサイトも閉鎖中です。スーダンにはジャンジャウィードというアラブ系の民兵組織がいますが、彼らとアルカイダは性質が違いすぎて手を結ぶことはないでしょう。ジャンジャウィードはスーダン政府が支援しているとみられています。アルカイダはスーダンのダルフール地方での活動を宣言していますが、どのように介入していくのかが気になっています。