ワシントン・ポストによると、フィリピンのマニラ市にあるショッピングモールで爆弾事件があり、8人が死亡、130人が負傷しました。現段階では爆弾の破片が見つかっておらず、爆弾事件であるかどうかは分かりません。
パキスタンのブット元首相を狙った爆弾事件は衝撃的でしたが、日本に近いフィリピンでも大規模な爆弾事件が起きている点にも注意を払うべきです。同じショッピングモールは7年前にも爆弾寺家の被害を受けており、イスラム過激派の犯行とされました。フィリピンにはアルカイダと関係があるアブサヤフ(Abu Sayyaf)という組織があり、南部フィリピンの独立を目指して、1年間規模の爆弾キャンペーンを行っています。同じくアルカイダと関係があるジェマ・イスラミアと共に、マニラで活動しています。
爆発が起こった場所は1回にある配送車が荷を降ろすドックの近くで、3つの階を吹き抜けたということです。火薬の痕跡が見つかれば、これがテロ事件ということになりますが、今のところは見つかっていないようです。しかし、フィリピン政府はテロの可能性はあり得ると見ています。
このように、アジアでもアルカイダに関連するテロ事件が起きており、フィリピンでは対テロ演習も行われており、それも不朽の自由作戦(Operation Enduring Freedom - Philippines: OEF-P)と呼ばれています。2002年1月15日、米軍の特殊部隊150人を含む1,650人の米軍がフィリピンに派遣され、フィリピン軍と共同作戦を実施しました。
フィリピンで対テロ作戦が実施される場合、フィリピンの領海内で海上自衛隊が給油活動を行うことは法的に可能です。これはテロ対策新法が成立した後も変わりません。むしろ、日本に近い場所だから、よけいに協力すべきだという主張がなされるでしょう。南シナ海のシーラインが危機にさらされるという話も強調されるはずです。こうして日本も泥沼の戦争に巻き込まれていくことになるわけです。こんな戦いをやるよりも、テロリズムを生む原因をつぶしてく戦略の方が優れているのは当然です。