military.comによると、2000年に17人の死者を出した米ミサイル駆逐艦コールの爆破事件の主犯、ジャマル・アル・バダウィ(Jamal al-Badawi)が釈放されました。
バダウィは死刑を宣告されましたが、禁固15年に減刑され、刑に服していましたが、2004年に22人の囚人(大半はアルカイダ戦士)と共に脱走していました。15日前、バダウィは警察に自首し、アリ・アブドゥラ・サレハ大統領(President Ali Abdullah Saleh)に忠誠を誓いました。部族長の調停により、今回の動きが実現したということです。
有名なテロリストが1人減ったことになります。しかし、これは実質的には国内だけで有効な誓いではないかと思います。なぜこのような措置が実現するのかというと、アルカイダが大衆に人気があるため、政府はアルカイダ戦士にあまり厳しいことができないのです。しかし、アメリカをはじめとする国際社会は、そうした動きを批判します。現に、アメリカは今回の件でイエメン政府を批判しています。そこで、中東諸国の政府は、自国民と国際社会の意向を足して2で割るわけです。結果として、緩い措置が決まってしまうわけです。
バダウィが部族長の面子を汚して、イエメンを出国し、二度と戻らぬ決意で、国外でテロ活動に参加する恐れはないのかと心配になります。イエメン警察は政府から、バダウィに関するあらゆる措置を停止するよう命じられたということです。監視活動も完全に停止するのでしょうか? 今後、彼がどのような活動をするのかに注意が必要と考えます。恐らく、アメリカが彼を何らかの監視態勢下に置くのでしょうが、私は、今回の処置に強い懸念を覚えます。