military.comによれば、米軍は11月までにカルバラ州の治安権限をイラク政府に譲渡します。
カルバラ州はバグダッドの南西にあり、面積が比較的小さな州です。アメリカ政府は11月までに18州すべての治安権限をイラクに渡す予定でしたが、カルバラ州を含めて8州しか譲渡に成功していません。ムサンナ州(Muthanna)、ジーカール州(Dhi Qar)、ナジャフ州(Najaf)は、去年の内に治安権限がイラクに戻されていました。今年4月にメイサン州(Maysan)が、5月に北部のダフーク州(Dahuk)、アルビル州(Irbil)、スラミマニヤ州(Sulaimaniyah)の治安権限がイラクに譲渡されました。(地図上では若干スペルが異なります)
カルバラ州にはシーア派の聖人アル・アバスとアル・フセインの聖廟がある場所です。今後とも、安定したままとは考えにくいものがあります。目下のところ、テロ事件が減少した明確な理由が分かりませんし、11月までにすべての治安権限を返還する計画は、まだテロ事件が多発していた今年1月に発表されたものです。武装勢力が、オサマ・ビンラディンの指示に従って、派閥抗争を止めて、外国の軍隊に標的を絞るように戦略を変更した場合、再び武装勢力に協力するイラク人が増えるかも知れません。その変化は近いうちに目に見えるようになると考えられます。