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政府は半数以上の給油先を把握せず

2007.10.3



 空母キティホークへの給油について、民主党の江田憲司氏と鈴木宗男氏の質問趣意書に関して、政府は2003年5月にアメリカから得た回答を根拠に目的外の使用はないと回答したようです。しかし、ピースデポが明らかにした情報を無視した点で、答えていないと同じです。また、2001年12月2日から2007年8月30日までの間、海自補給艦から米軍艦船に提供された燃料の総量は、当初の発表よりさらに増えて約38万5000キロリットル、うち補給艦への提供は約23万6700キロリットルで、全体の約61%という回答も出ました。さらに、給油した燃料の使い道は分からないという回答も出たので、米軍に給油した燃料の半分以上が何に使用されたか分からないことになります。これでは、国会は通っても国民の理解は得られません。臨時国会が与党の思惑通りにいっても、衆議院選挙での敗北を確実にするだけです。

 石破防衛大臣は、何とかして使途を明確にするシステムを作りたいと考えているようです。私は、防衛庁は燃料が不朽の自由作戦に使われていないことを承知していると考えます。インターネットに情報が公開されているのに、防衛庁がそれを知らないとは考えられません。すると、石破防衛大臣や防衛官僚が、それを否定するのはなぜなのかという問題にぶつかります。ピースデポが公開した情報を見れば、キティホークがイラク作戦に参加したことは否定し得ません。軍事通の石破氏なら、密輸の取り締まりに空母を使う必要がないことくらい分かるはずです。それにも関わらず自説を曲げないのは、軍事に疎い国民の大多数の支援を取りつければ、事実と違っていたとしても、政治的な目的を達成すると考えているとしか思えません。あるいは、防衛官僚が教える情報を鵜呑みにしているということも考えられます。いずれにしても、安全保障論として空虚なものしか感じません。

 今日から国会で論戦が始まります。とてつもなくヘンテコな問答が飛び交う予感がします。

 それから、みなさん。現在行っている、洋上給油に関するアンケート調査について、積極的に回答してください。まだ、回答数が十分ではありません。回答して頂いた内容は、名誉毀損など法律上の問題がない限り、そのまま掲載します(誤字を修正することはあります。その際、主旨を変えないように注意します)。


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