韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮の金正日総書記は南北首脳会談の合意事項を発表しました。主な内容は次のとおりです。
- 南北首相、国防相会談の開催
- 朝鮮戦争終結宣言の関連当事国会議の開催
- 南北縦断鉄道・京義線貨物便の開通
- 黄海に「平和協力特別地帯」を設定
朝鮮戦争終結宣言には驚きましたが、よく考えれば、不可侵条約みたいなもので、朝鮮半島の平和的な統一を意味するものではありません。それが本当なら京義線の開通や平和協力特別地帯など設定する必要はなく、さっさと軍事境界線を廃止すればよいからです。第一、韓国の人たちが自由に北朝鮮に来るようになると、収容所の存在が明らかとなり、北朝鮮には都合が悪すぎます。
要するに、この合意は北朝鮮が軍事費の負担を減らし、韓国からさらに経済的な援助を受けるための方策です。韓国はそれを承知で北朝鮮の面倒をみようというわけです。終戦を材料にして北朝鮮は軍の配備で何らかの譲歩案を示し、韓国にもそれを求めるのです。不要になった兵隊は労働力として使用し、体制の基盤固めを計るのでしょう。それで北朝鮮の防備が不十分になっても、韓国は攻撃してこないと考えることができるのです。
これに対して、福田総理は歓迎するコメントを発表しました。これは合意事項を良く検討した上での発言なのでしょうか。「だめだ、こりゃ」という印象です。