military.comによれば、イラク派遣を拒否して軍事法廷に起訴されていたエレン・ワタダ中尉の裁判が今秋火曜日に開廷する予定でしたが、再び延期されました。
3月1日の記事で紹介していましたが、ワタダ中尉の裁判はすでに一度停止していました。手続き上の問題で2月に審理無効となりました。陸軍は再度軍事法廷を開こうとしましたが、ワタダ中尉の弁護士が、いわゆる一事不再理にあたると主張し、裁判の中止を求めていました。軍事法廷はこれを認めず、去る水曜日に弁護士が軍隊用の連邦巡回裁判所に緊急動議を出したのです。
連邦地方裁判所のベンジャミン・セトル判事(Judge Benjamin Settle)は同裁判所がこの裁判の延期を決める権限を持っており、一事不再理の申し立てに正当性があると認めました。これに対して、陸軍の控訴裁判所は、ワタダ中尉を再び裁判にかけることができるとしています。
これは珍しいケースだと思われます。アメリカの法律全体に対する知識がないとコメントはできそうにありませんが、今回、連邦裁判所が訴えを認めたのは、事件の内容に関わることではなく、一事不再理の原則という裁判の基本原則に関わる問題だからでしょう。しかし、こういう手があるとは思いませんでした。連邦地裁がこの事件をどう判断するのか注目したいと思います。