military.comによると、ロケットと迫撃砲による攻撃が、過去21ヶ月で最も低いレベルになりました。10月のロケットと迫撃砲の攻撃は369回で、2006年2月以来最低となりました。この数字は1年前の同じ月の約半分です。この数字は808回だった2007年1月から徐々に増加し、6月には1,032 回に増え、その後4ヶ月下落しました。これはバクダッドで顕著で、1月が139回、6月が224回、10月が53回と変化したと米軍は主張しています。
ロケットや迫撃砲の攻撃は、あまり大きな効果を生んでいません。目標を砲手が目視できない遠方から砲撃するので、正確に狙いをつけるのが難しいからです。ロケットの場合、手製の発射装置をどこかに設置して、方向と発射角を決め、あとはロケットが予定通りに飛んでくれることを期待するだけです。迫撃砲はもっと正確に照準できますが、発射位置に米軍やイラク軍が来る前に撤収する必要があるので、短時間で一定数を発射したら、迫撃砲を片づけて逃げるしかありません。その間に、砲撃地点を目視できる者と連絡を取り、照準を修正することはできますが、十分な精度を得るまでに砲弾が尽きてしまうのです。
だから、この数字を見るには、攻撃回数ではなく、死傷者の数も比較しなければなりません。攻撃回数の増減と死傷者数を比較すれば、それがどの程度の威力があるかが明確になります。ちなみに、イラク全土の攻撃回数に占めるバグダッド市内の攻撃回数の割合を見ると、1月が13%、6月が28%、10月が14%で、イラク全体で攻撃回数が1月と6月の比較では78%、6月と10月の比較で46%と減ってきた中で、バグダッドは割合では数字が落ちていないことが分かります。「昨年の10月の半数」という米軍の説明も、数字の比較の仕方として変だという気がします。テロ攻撃の減少はいまだに合理的な説明がついていません。まだまだ検証が必要です。