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イラク外相「トルコの越境作戦の危険減る」

2007.11.21



 military.comによれば、イラクのホシャール・ジバリ外務大臣(Hoshyar Zebari)がトルコの越境攻撃の危険はかなり小さいと述べました。

 ヨーロッパ連合の会議に出席中のジバリ外務大臣は、イラクは合理的な解決を見いだすためにトルコと緊密に取り組んでいる。問題はまだ残っているが、大規模な進行の可能性は減った」と
述べました。

 これは明らかにプロパガンダ的な発言で、問題の実状を示すものではありません。EUの会議に出ている外務大臣がわざわざ記者会見でこう述べたのは、トルコへ圧力をかけるためと見るべきです。EU関係のメディアが集まっている場所で発言することで、トルコに自制を促しているのです。また、この発言でトルコとイラクの間で交渉が継続中であることがはっきりしました。トルコがいまだに侵攻しないのは、このためでしょう。

 トルコは過去にも議会承認を得ながらも、実際に侵攻しなかったことがあります。今回、侵攻の可能性が高いと見る根拠は、最近トルコがPKKから受けた被害の大きさがあります。十万人も動員して何もしなかったのでは格好がつきません。何らかの進歩が得られない限り、侵攻は行われると見るべきです。ただ、本格的な冬がどんどん近づいており、能力的に大規模な作戦は難しくなりつつあります。最終的には、満足行かないにしてもイラクから何かの進歩を引き出し、空爆を中心とした作戦を実施して幕引きにすることになるかも知れません。そうしないと、PKKはトルコを一歩後退させたことになり、実質的な前進を手に入れるからです。トルコとしては、それは避けたいと考えるでしょう。戦争はするのも避けるのも一長一短なのです。


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