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サンチェス中将が1年以内の撤退に賛成

2007.11.23



 ブッシュ政権のイラク政策を批判して、現場の兵士からブーイングを浴びたリカルド・サンチェス退役中将(Lt. Gen. Ricardo Sanchez)が、再び爆弾発言を行いました。military.comによると、サンチェス中将は、ほとんどの兵士が1年以内に帰還する民主党の法案を支持すると述べました。

 「我々の兵士の勇気と血によって生み出される治安の向上は、イラクに平和をもたらすのに必要な厳しい選択をしたいとする一部のイラクの指導者の意志にマッチしない。イラク人が近い将来にそれをする選択をするとか、我々がその結果を強制する能力を持っているという証拠はない。下院の法案は早いうちに我々が派遣した兵士に適切な準備をさせ、彼らの数を大幅に削減させる任務へのシフトする様式を求めている」

 かつて当事者だった将官が現在進行中の戦争に対して批判を口にすることは、過去になかったことです。それも下院の民主党案に賛成するというのは異例です。ただ、サンチェス中将の発言はちょっと分かりにくく、考えがまとまっていないという印象もあります。サンチェス中将がどんな人物か知る必要があると感じました。特に、彼がイラク赴任中にアブグレイブ事件が起こり、その負い目を強く感じるあまりに、言動が変化した可能性を考えなければなりません。しかし、政治と軍の関係がこれほどまでに壊れたことはかつてありませんでした。ベトナム戦争は政治が軍に引っ張られた面がありますが、今は完全に政治が軍を引っ張っています。しかし今後、この種の事件はもっと起きるはずです。アメリカ国内の混乱は、実は日本の国益にはなりません。自民党と公明党の政権は、戦後日本の慣習となった対米追随を繰り返そうとしているだけです。戦後半世紀以上経ったのだから、政治のテーマは対米追随から独立国として行動する方向へ変わらなければいけないのに、その正反対を意向としているのは本当に奇妙です。


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