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ディヤラ州で女性が自爆テロ

2007.11.29



 army-times.comによれば、ディヤラ州のバクバでイラクで、米軍のパトロール隊を狙った女性の自爆テロが行われ、米兵7人とイラク人5人が負傷しました。

 テロ事件が減ったとされるディヤラ州で女性の自爆テロが行われるとは意外です。記事には、イラクで行われた女性の自爆テロも書かれています。2006年4月、バグダッドのシーア派モスクを4人の自爆犯が攻撃し、その内の1人がアバーヤ(女性が着用する袖無しコート)を着用していました。2005年11月、イスラム教に改宗したベルギー人が米兵を狙って自爆したものの、彼女だけが死亡しました。この事件は記憶があります。すると、今回で3回目ということになるようです。数だけ見ると、ディヤラ州のテロ事件は激減していますが、希にしか起こらない女性の自爆テロが起きるのなら、まだ十分な勢力を持ったテロ組織が存在するということでしょうか。地元の武装勢力はこうした自爆テロはしないでしょうから、ディヤラ州にはまだアルカイダが存在すると見た方がよいでしょう。

 ここしばらくのイラクの状勢は非常に不可解です。数字の上では好転しているのに、全然そんな気になれないのです。戦争が終わる時には、事前にそういう実感が湧くものですが、それがまったくないのです。クルド問題も依然として進行中ですし、イランの介入も心配です。

 また、バグダッドでは不可解な事件も起きています。銀行の従業員を乗せたミニバスが道路封鎖を通り抜けようとして米兵が発砲し、2人が死亡しました。銀行の車がなぜ道路封鎖を突破しようとしたのかは書かれていません。他に、イラクの議員がグリーンゾーンの出入口にある米軍の検問の手続きを軽減するよう抗議して、会議をボイコットする事件が起きています。クルド区域の広報官は「議会メンバーに対するアメリカの軍人の侮辱的な行動」を批判しています。これらの事実から、バグダッドでテロ事件を封じ込めるために、米軍は相当に強硬な検問方法を用いているのではないかと考えられます。そのために、米軍とイラク人の関係が壊れてしまったのです。イラクはまだ平和になったとは言えないように思われます。


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