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ISAF仏指揮官が兵力不足を指摘

2007.12.1



 military.comによれば、ISAFのヴィンセント・ラフォンテーヌ准将(Brigadier General Vincent Lafontaine・フランス軍)が兵士41,000人ではアフガニスタンの治安は守れないと発言しました。

 これは作戦に失敗しつつあるという意味ではなく、任務を終えるまでにずっと長くかかるという意味だと言います。兵士と補給品を運ぶ輸送ヘリコプターの慢性的な不足を心配しています。ヘリコプターは米軍が大半を供給していますが、来年早々に引き揚げることになっています。ラフォンテーヌ准将は、NATO軍のトップは民間ヘリコプター会社に輸送任務を外注する可能性を検討しているといいます。恐らく、これは普通の空運会社ではなく、民間軍事会社が請け負うことになるのでしょう。軍用ヘリコプターを操縦した経験を持つパイロットが世界中でリクルートされることになるかも知れません。

 国際テロ組織という言葉はよく使われますが、こうした組織のつながりは希薄で、その時の都合で動くと言います。でも、正規軍の状況も似たようなところにあるようです。各国は大義名分に賛同して兵を出しているわけですが、自分の都合で兵を動かします。いつも考えるのですが、ISAFの活動の成果を正当に評価し、戦略を決定しているのはどの組織なのでしょうか。形の上では、当然、国連です。しかし、実態としてはNATO軍や米軍を中心とした軍部がほとんどを決めています。そして、それぞれの軍は自分の都合で動いているわけで、総合的な戦略を考える上では、各国の軍隊の中での統率能力に劣ります。これが第二次世界大戦なら、枢軸国の首都を陥落させるか降伏させれば戦争は終わると分かっており、各地域に連合軍部隊を割り振れば済みました。対テロ戦争では、この作業はもっと複雑になります。ISAFが十分に対応できているのかが心配です。

 ISAFの広報官カルロス・ボランコ准将(Brigadier General Carlos Branco・ポルトガル軍)が面白いことを言っています。タリバンの自爆攻撃が増えたのは、タリバンの弱みだと言うのです。今年、アフガンでは130件もの自爆攻撃が起きています。しかし、ボランコ准将は、「タリバンは地上でいかなる本当の成功も収めておらず、反乱を次のレベルに持っていくことができず、そしてテロリズムという手段に訴え、プロパガンダを使い、活動の結果について自棄を起こしてまったくの嘘をついている」と言います。ちょっと賛成できかねる意見です。彼が言うとおりなら、自爆テロは減るはずです。中東の武装組織の発言が理解しにくいのは珍しいことではなく、その内容を真に受けても実態は見えてこないでしょう。問題は130件という自爆テロの多さです。現地の人が犯人である場合もあるでしょうが、イラクでこうした事件が減った分、外国人がアフガニスタンに来て実行している可能性もあります。アフガンの自爆テロ半に関する情報を精査しないと、何とも言えないのではないかと考えます。


今回初めての試みとして、アンケート調査システムを利用し、当サイトで紹介している「TacOps」を教材にした、戦術問題を出してみました。ある突破作戦に最適の突破ルートを考えてみて下さい。(問題はこちら

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