spacewar.comによると、12月4日、ニューメキシコ州のコイトランド空軍基地において、ボーイング社がガンシップC-130Hに次期戦術レーザー(the Advanced Tactical Laser: ATL) を搭載しました。このシステムは、C-130Hの下部に回転式の砲塔が据え付けられ、そこからレーザー光線が照射される仕組みです。MD構想のエアボーンレーザーに似ていますが、ミサイルではなく地上の目標を攻撃するための兵器です。
ATLは今年6月に低出力のレーザーを上空から地上の目標に向けて照射する実験に成功していました。7月には50回以上の高出力レーザーの発射テストに成功しました。来年は上空から地上の目標に向けて高出力レーザーの照射実験が行われる予定です。このテストに成功すれば実用化は照明されます。おそらく、テストには成功するでしょう。
レーザー装置の重量は12,000ポンド(約5,443kg)で、C-130Hの最大搭載量20トンの4分の1を超えます。ここまで小型化できるのなら、他の武器も搭載したガンシップが実現することになります。これまで搭載されていた武器で一番強力なM102 105mm榴弾砲が1,363kgです。しかし、榴弾砲には砲弾がつきもので、ガンシップには105mm用の砲弾が最大で100発搭載されることになっています。砲弾は種類によって重量が違いますが、M102が使うNATO標準105mm砲弾1発が20kgとしても100発で2,000kgです。砲と弾薬を合わせてもレーザー兵器より1トンは軽いことになります。
記事にも書かれていますが、レーザー兵器は文字どおりピンポイントで攻撃できるのでコラテラルダメージを最小限にすることができます。当然、対テロ戦争にはうってつけということで、完成後は早々にイラクやアフガニスタンに送られることでしょう。戦いの様相にまた別の性質が生まれますが、これで米軍が極端に有利になることもありません。兵器の高額化が一層進むことになります。