イラクで40人以上が死亡する爆弾事件が起き、ソマリア沖で海賊に拿捕された日本のタンカーが解放され(記事はこちら)、イギリスのゴードン・ブラウン首相がタリバンと交渉を始めると言い(記事はこちら)、様々な動きが起きています。そんな中、インドのテロ対策に関する報道がありました。インド北部のウッタルプラデシ州をはじめとする州の法廷を狙った連続爆弾事件が情報機関に対する激しい批判を生んでいるのです。
spacewar.comによると、インドのシブラジ・パティル内務大臣(Interior Minister Shivraj Patil)が、インドの情報機関はテロリズムを効率よく取り扱う能力において疑わしいと述べました。インドには、地方警察、州の情報部、国家レベルの情報局と研究分析部門の四段階の情報組織があります。これらが上手く機能しておらず、互いの信頼関係がなく、情報の提供もありません。インドでは情報機関は、献身的な職員がいない、資金不足で、やる気のない職員を捨てる場所だとみなされています。テロリストが逮捕されるケースは滅多にないといいます。
これは非常に危機的な情報です。アルカイダの一部がインドで活動している徴候があり、パキスタンで反ムシャラフの気運が高まっていることを考えると、インドの情報機関がまともに動いていないのは、インドでさらなるテロ事件が起きる恐れが大きいと見なければなりません。テロは拡散しています。先日、アルジェリアで大規模なテロ事件が起きたばかりです。ヒンズー教徒が8割を占めるインドがアルカイダに支配されることはあり得ませんが、イスラム教徒も一定の割合を占めています。少数派が抱える不満にアルカイダが付け入る危険は考えておかなければなりません。すでに、そうした事件が過去に起きています。この記事を読んで急に心配になってきました。これはパキスタンとインドの関係を不安定にする恐れもあります。軽視すべきではありません。