ワシントン・ポストによると、トルコ軍がホームページ上で60人のクルド人ゲリラを攻撃し、「より激しい攻撃」を行ったと発表しました。「テロリストグループは、この作戦の結果として重大な損失を受けた。もし必要ならば、この地域において別の方法による攻撃を行うだろう」と、トルコ軍は主張しています。
ロイターの記事によると、この攻撃には100人の特殊部隊、長射程の砲による砲撃、6機のヘリコプターによる爆撃が含まれ、国境から20kmの位置にあるキャンプを爆撃しました。このキャンプには50〜60人のゲリラがいました。
しかし、北ダフーク州(northern Dahuk province)のイラク国境警備隊の指揮官フセイン・タマル大佐(Col. Hussein Tamor)は、このような攻撃は承知しておらず、「ダフーク州国境の検問は、いかなるトルコ軍の侵略や軍事作戦の報告はない」と述べています。AFPの記事でも、PKKの指揮官が「トルコ軍との戦闘はなかった。我々の地域は静かで、空爆や砲撃もない」と述べています。
この場合に、トルコ軍がやってもいない攻撃を主張することはマイナスにしかなりませんから、攻撃は行われたと解釈する方が自然です。トルコ軍は攻撃の成果を評価した後で、何らかの証拠(写真やビデオ映像)を公表するかも知れません。攻撃の内容としては、事前に潜入させた特殊部隊が砲爆撃を誘導し、猛爆を行った後にヘリコプターで本隊が到着し、さらに必要な攻撃を行い、キャンプを使用できないようにして引き揚げたということでしょう。この方法だと、いずれPKKがキャンプを修復して、再利用する恐れがあります。50〜60人という数字が、ゲリラ兵士の死体を数えた結果なのか、攻撃する前にそれだけの人員が現場にいたということなのかが気になります。死体の数なら、3,000人と言われるPKKに対しては大きな戦果だと言えます。今後、どのような情報が出るかに注目していきます。