military.comによると、イラク軍は未だに進歩が遅く、汚職により頑強で、管理が不十分で、派閥で分断されていると米国防総省の9月から11月までを網羅した四半期報告が指摘しています。
イラク軍の最高17%が高い死傷率によって失われ、これは脱走と同様に連合軍の2〜3倍にあたります。11月の時点で、21,000人のイラク兵が無許可離隊(AWOL)の後に脱走しました。それでも、11月15日の時点で、9月に105個だった大隊が117個大隊になり、陸軍の77%は連合軍の最小限の支援を得るかまったくの支援なしに治安維持任務を行うことができます。一方、警察は汚職や派閥上の行為で悩まされており、数千人の警察官が犯罪歴や汚職その他の問題により解雇され、200人近い警察官が武力活動を行ったために解雇されました。
これが何を意味するかというと、イラク軍も警察も、人の出入りが激しすぎるということです。自立して活動できる部隊が増えたのは、米軍が支給する装備品の充実のためかも知れません。これだけの情報では結論を出しようもないのですが、状況が好転しているようには見えません。イラク人男性は様子を見て、武装勢力とイラク軍や警察を行き来しているように思えます。これで、まともな治安維持活動ができるのかは極めて疑問です。
記事には最近の電力事情も書かれています。バグダッドでは1日に平均11.5時間の電力供給を受けていたのは、11月には12.7時間に増加し、イラク全土では15時間を少し超えるまでに増加しました。これではまともな生産活動はできないでしょう。当然、犯罪も起こります。イラクの治安回復のためには、こうした生活インフラの充実が最も重要です。