military.comによると、ロバート・ゲーツ国防長官はイラクの治安が安定すれば、来年徐々に兵力を減らし、年末までに10個旅団、100,000人を撤退させられると述べました。現在、イラクには158,000人の米軍がいます。一方、アフガニスタンで7,500人の増員が必要とされています。
ゲーツ長官の話はどう見ても現実的ではありません。トルコは先の空爆と追撃により、必要に応じて同種の攻撃を行う段階に入ったと宣言しています。マハディ軍の休戦はいずれ終わります。近い将来の治安はまったく安心できない状態にあります。来年末には大統領選挙があります。それまでに問題が解決するように思わせ、共和党候補を有利にするリップサービスに過ぎません。こんな話を本気にする人はまずいないと思います。もし、これをやるとすれば、無理矢理にでも退却することになり、ブッシュ政権がそんな判断をするとは思えないからです。大統領は米軍はイラクの治安が安定したら退却すると言い続けてきました。その実現なしに退却すれば、ブッシュ政権は最後の信頼を裏切ることになります。この方針自体がそもそも実現困難で、公言すべきではなかったのです。最も可能性のある結末は、アメリカが財政的な理由でイラク駐留を諦めることです。来年、民主党政権が生まれれば、その方向に向かうでしょうが、ブッシュ政権下ではそれはあり得ません。戦争は常に落としどころを見据えてかからなければ終わらせることができないものです。
本日は時間がないので、これまでとします。