military.comによれば、12月3日は米軍が同性愛であることを公言しない限り、勤務を認める法律が成立した14回目の記念日でした。この日、28人の退役将軍と提督が、議会にこの法律を撤廃することを求めた書簡を送る計画を公表しました。
「聞かない、言わない(don't ask, don't tell)」政策は、クリントン政権時代に妥協案として成立した法律ですが、同性愛差別を根絶していないと批判が続いていました。クリントンは同性愛差別の撤廃を公約していましたが、軍の抵抗にあって妥協したのです。
これだけの退役高官が動いているということは、すでに同性愛差別の撤廃が本格的になってきたということです。しかし、今年早々に軍の取り組みが発表されて以来、目立った変化は見られませんでした。そこで、書簡が出されることになったのでしょう。しかし、一年かかって進歩がこれだけとは、先はまだ長そうです。法律の改正に関して、権限を握っている議会には様々な団体から圧力がかかります。米軍自体がそうですし、宗教団体や道徳規範を扱う団体は、同性愛者の解禁に反対する傾向があります。特に、キリスト教はこの問題に厳格です。
米軍には65,000人の同性愛者(男女共)の現役兵がおり、退役軍人では百万人以上になるといいます。これだけ多いと、同性愛者を無視することはできません。この問題は時間が解決する段階に入っており、近い将来のいつか撤廃されます。しかし、その歩みは遅すぎます。現役ではなく、退役高官が動いているのは、外堀から埋めていこうという意向の表れです。難しい問題を解決する時にOBを使うのは、よくあることです。