82空挺師団が市内中心部を警備

2007.2.10



 やっとバグダッドの掃討作戦について、保健省副大臣の逮捕以外でまとまった情報が出てきました。military.comによれば、第82空挺師団第2旅団戦闘団第325連隊第2大隊が市内中心部のアダハミヤ地区(Adhamiyah)に戦闘前哨を設置し、警戒を始めました。7日に第3旅団戦闘団がこの地域の掃討を行い、その後第2旅団が警備を引き継いだのです。

 戦闘前哨には鉄条網と土嚢、さらに狙撃を防ぐためのコンクリートの壁が設置されました。兵士は地域をパトロールして住民に自己紹介し、名刺を集め、お茶をごちそうになり、丁寧に質問をして良好な関係を築こうとしています。とりあえず、最近の兵士教育の結果が発揮されているようです。こういう努力で住民の武装勢力離れが起これば、それはよい兆しです。しかし、まだ大きな武装勢力の拠点が発見されたという情報は出てきていません。今後の展開次第では、どうなるかは分かりません。イランの関与を示す証拠がさらに見つかって、既成事実化するかも知れません。別の記事によると、心配されているイランの関与について、ゲーツ国防長官が証拠を示しました。砲弾の破片から復元したシリアル番号がイランの関与を示していると主張しました。もうひとつの別の記事によれば、アヤトラ・アル・カメネイ師は、アメリカがイランを攻撃したら、イランは世界中のアメリカの利権を攻撃すると宣言しました。

 しかし、まだ情報が少なすぎて、掃討作戦の模様がよく分かりません。何軒を捜索し、何を発見したかなどの重要な情報がまだ発表されていないからです。現段階は、捜索の風景がいくつか報じられた程度です。もう少し情報が出てこないと判断はできそうにありません。でも、大きな成果は見込めないと予測はできます。武装勢力は現在市外に待避しています。掃討作戦が終わったら、慎重に警備状況を偵察し、また舞い戻ってくるでしょう。結果として、掃討作戦は成果をあげないということになります。皮肉にも、現在の米軍はフセイン政権がやっていたのと同じことを請け負っています。

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