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現役兵士のイラク批判は続く

2007.3.1



 military.comによると、イラク従軍を拒否した日系人のエーレン・ワタダ中尉の裁判は2月7日に審理無効になっていたようです。ワタダ中尉は、将校と紳士にあるまじき行為として第133条違反、イラクへの移動を拒否したとして第87条違反に問われています。裁判長によると、ワタラ中尉が公判前の合意を完全に理解していなかったためということです。その詳細については、記事に書かれていません。ワタダ中尉の支援サイトに裁判の詳しいレポートがあるようです。

 陸軍は再びワタダ中尉を起訴し、7月16日に初公判を予定しています。彼の弁護人のエリック・サイツは、これが同じ罪で2度起訴されない憲法上の規定に違反するとして、却下されるよう努力すると述べています。ワタダ中尉が有罪になると、禁固6年と不名誉除隊になる可能性があります。

 アメリカの司法制度が試される時が来たと思います。過去にも、大きな戦争に関する犯罪は、懲罰や見せしめの意味合いが強く、裁判が不公正になったり、被告に過剰な刑罰を科したりといたことが繰り返されてきました。このことは人間の未熟さを示していると、私は考えます。ワタダ中尉を是が非でも有罪にするのか、司法の原則を優先するのか。最も民主的だといわれるアメリカの司法制度ですら、戦時にはファシズムのような行動をとります。それは現在もさほど変わっていません。

 イラク戦に関して不満を口にするのは、ワタダ中尉だけではありません。ニューヨーク・タイムスによれば、1,600人の現役軍人が「appeal for redress」のサイトを通じて、イラクからの撤退を訴えています。こんなことは、かつてなかったことです。ベトナム戦争の時は一般市民が反戦運動をしましたが、現在はそのようなエネルギーはありません。逆に、現役軍人から批判の声があがっています。日本で情報を整理しているだけの私でもストレスを感じるのに、現場で達成不可能な目標に努力することを強いられている米兵士たちのストレスは相当なものと推察します。退役したイラク従軍兵士から莫大な分量の従軍体験が語られ始めるようになっていますが、そろそろその流れに勢いがつく頃です。どのような情報が流出してくるのか気になります。

 
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