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IED探知ロボットは被害を防止できるか?

2007.3.31



 military.comに、IEDなどの爆発物を探知するロボット・PackBot EODが紹介されていました。現在、イラクでは70%がIEDで死傷しています。このロボットは遠隔操作で動かせ、IEDをかぎわけるセンサー(bomb-sniffing sensor)とカメラが搭載されています。本当に爆発物に含まれる特有の臭いをかぎ分けるのか、比喩的な表現なのかは分かりません。現在、イラクとアフガニスタンで約5,000台ものロボットが使われています。

 この種のロボットではIEDは駆逐できません。人間が操作して調べられる範囲は限られており、米兵がパトロールする区域の全域を調べることはできないからです。重要な警備区域に限定して調査するだけでは被害を防ぐことはできないのです。自動的にあちこちを歩き回ってIEDを探知するロボットを作れればよいのでしょうが、それでは簡単に攻撃され、粗大ゴミになるだけです。それを防ぐには、応戦する機能も持つIED探知ロボットでも作るしかありませんが、そうなると現在のPackBot EODのような簡単な構造では済まなくなります。

 このロボットを開発したのはiRobot社です(サイトに製品の詳細が掲載されています)。現在、軍の受注が2005年から2006年の間に60%(7千6百万ドル)増えたため、全体の売り上げは33%延び、1億8,900万ドルを記録しました。

 この会社の社名はアイザック・アシモフが書いた有名なSF小説「我はロボット」から社名をもらっています。この小説の中で、ロボット三原則(Three Laws of Robotics)という、次のような規則が紹介されています。

第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。(小尾芙佐訳)

 ロボット三原則に従うためか、iRobot社は今のところは攻撃用ロボットは開発していないようです。今後もこの方針を貫いて欲しいものですが…。

 
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