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新型位置確認システムと防弾ベスト

2007.4.4



 military.comが軍事の新技術に関する情報を2件報じました。

 まず、新しい位置確認システムです。建物が建て込んでいる市街地などでは人工衛星の電波を受け取れないため、人工衛星ベースの位置確認システムは機能しなくなります。友軍による攻撃を防ぐことにも役立ちます。そこで複数の方法で常に位置確認を確認できるシステムの開発がはじまりました。試作品は海兵隊で2008年5月までテストされる予定です。それほど詳しい情報は書かれておらず、GPSを使わない位置確認法がどういうものかは不明です。装置は兵士が携帯できる大きさで、自分の位置を常に確認できるので、ティルマン事件のようなことは避けられると開発責任者は述べています。

 もうひとつは新しい防弾ベスト、改良型外衣戦術ベスト(Improved Outer Tactical Vest)です。従来の防弾ベストよりもより軽く、より防護力を高めました。前面のタブを押すとベストがいくつかの部品に別れるため、衛生兵がより負傷部位にアクセスしやすくなりました。約13.6kgある従来の防弾ベストから1.4kg軽量へと軽くなりました。カマーバンドを使用したことで肩よりも腰に重量が分散されます。また、メッシュのインナーをつけたので、より涼しくなりました。開発メーカーは、これ以上防護装備を身につけなくても、十分に強度があるとしています。サイズは11種類も用意されています。開発は2006年春から始まっていましたが、まだ実戦配備されていません。

 この種の新技術は現場の作業を若干やりやすくはしますが、それほど大きな効果は期待できません。位置確認システムを持っていても、それを見る暇がなければ、やはり味方を誤射するかも知れません。防弾ベストは銃弾や砲弾の破片から守ってくれますが、全身を覆えるわけではなく、強力な爆弾には無力です。また、爆発で生じた衝撃によって脊椎などを損傷し、日常の生活すら送れないようになるという問題は解決してくれません。将来、これら両方の装備品が採用されたとしても、これらのお陰で助かったという人は出てくるでしょうが、戦術、作戦面ではそれほど変化はないのではないかと考えます。もちろん、ないよりはある方がマシではありますが。

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