military.comによれば、米海兵隊はイラクでの戦闘にかかりきりになるあまり、ジャングルでの戦闘など、他の分野の訓練ができない状態になっていると考えています。
ジェームズ・T・コンウェイ大将は、米海兵隊はあらゆる戦場で活動する訓練をすべきなのに、帰還中も次の派遣の準備に追われるため、十分な訓練ができないと述べました。砲兵の砲撃訓練など一部の訓練は取り戻せたものの、他の分野は立ち遅れていると大将は指摘しました。
軍隊の人は頻繁に入れ替わるものだということが一般には十分に認識されていません。新兵はどんどん入ってきますし、昇進や除隊などで古参兵は現場から姿を消します。定期的に大規模な訓練を兵に体験させないと、兵士は作戦行動の感覚を身につけられません。現在、イラクで行っているのは小規模な戦闘と警戒行動です。実戦経験に関してもまやかしがまかり通っています。「実戦経験がない自衛隊は弱い」といった誤った指摘は耳にタコができるくらい聞かされてきました。私は実戦経験よりも演習の方が兵の技能を向上させるものだと考えています。また、内容によっても技能の向上につながるかは変化し、現在のような「戦争以外の軍事行動」というべき実戦経験では、正規軍との大規模な戦闘には役に立ちません。もともと、兵士が実戦に慣れるということはほとんどないというのが専門家の見解で、軍隊は訓練で十分な力をつけ、本当に必要な時に短期間だけ用いるのが理想的なのです。コンウェイ大将が言いたいのは多分そんなところだと思います。