共和党の大統領候補と目されているジョン・マケイン上院議員が失言をしたと、military.comが報じました。
退役兵相手の演説の中で、核武装を進めるイランに対してメッセージを求められたマケイン議員は、ビーチボーイズの歌の歌詞を引用し、「Bomb, bomb, bomb, bomb, anyway, ah ...」と答えました。これに対して、リベラル派の活動団体「MoveOn.org」がこうしたジョークは許されるべきではなく、「もう一人の無謀な大統領を雇う余裕はない(can't afford another reckless president.)」と批判し、十万ドルを使ってこの件を訴えていくことにしました。実は、別のニュースがベトナム帰還兵で「プラトーン」などの反戦映画で知られるオリバー・ストーン監督が、「MoveOn.org」と「VoteVets.org」のために、30秒間のテレビコマーシャルを制作することになったと伝えています。もしかすると、これはマケイン議員に関するCMかもしれません。
実際、マケイン議員は歌の後で別に意見を述べているようですが、歌詞だけが先行して広まっているようです。YouTubeには映像がアップロードされました(記事中に映像へのリンクがあります)。
次回の大統領選挙は、インターネットが本格的に使われる大統領選挙だといわれています。昨年の中間選挙でも、共和党のジョージ・アレン上院議員がインド系アメリカ人をサルの一種「マカカ(サルの名前)と呼んで落選しましたが、これには決定的瞬間を撮影した映像がインターネットで流されたことが大きく影響したと考えられています。テレビの影響はすでに誰も疑いませんが、インターネットの影響は今度の大統領選挙で広く認識されるはずです。すでに、仮想人生を体験するオンラインゲーム「Second Life」でも候補者たちが自分の広告を掲示しており、戦いは既に始まっています。マケイン議員は「退役兵の古い友人たちに対して言ったこと」と説明していますが、こういう説明が通らない時代が来ているのだと思います。アレン議員もテレビで「マカカ」は自分が思いついた意味のない言葉だと釈明しましたが、理解はされませんでした。今の段階ではネット戦略で先を行っているのは民主党の方です。しかし、選挙までにどうなるかは誰にも分かりません。共和党が巻き返す可能性も十分にあります。誰が大統領になるかだけでなく、誰が大統領になりそうなのかは、長い選挙戦の間を通じてイラク問題に影響を及ぼし続けるでしょう。いまやテロ組織がインターネットを使って宣伝や徴募活動を行う時代です。まして大統領候補は当然…という時代なのです。