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従軍慰安婦問題に関するアメリカの心理

2007.4.26



 安倍晋三総理大臣が、訪米に先立って、従軍慰安婦に関する見解を修正し、河野談話を継承することを明らかにしました。

 ワシントン・ポストの記事にも示されているように、この件についてはアメリカの世論はほぼひとつの方向、つまり日本がこの件で公式に謝罪することに集束されようとしています。この方向はもはや動かないでしょう。

 太平洋戦争中、アメリカに渡った蒋介石の妻・宋美齢が、日本軍の蛮行をアメリカ社会に伝え、抗日戦争の支援を訴え、大きな成果をあげたことがあります。アメリカ人たちは、自分たちが戦う理由を「中国を救う」ことに求めました。それは完全に定着して、いまでも変化していません。自分たちが戦う理由と決めたことを今更変えるわけがありませんから、従軍慰安婦の問題でアメリカが日本を支援する可能性はまずありません。日本がイラクに関してアメリカに協力しているとか、アメリカに向かう弾道ミサイルを日本が迎撃するといったことは別問題なのです。ミサイル迎撃に関しては、そもそも実現性が薄い話です。アメリカの保守派もこの件では日本を支持しないことの認識が日本政府にはないように思われます。現在の日本政府の考え方では、日本はさらにまずい立場に追い込まれていく危険性があります。

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