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ディヤラ州米軍指揮官が兵力不足を訴える

2007.5.12



 military.comが、ディヤラ州(Diyala)の米軍指揮官がより多くの兵士が必要だと言ったことを報じました。これはこの秋の新たな増派がイラクの治安悪化に対応するためで、米政府の説明とは食い違っていることを裏づけていると、私は考えます。

 バグダッド州の北側にあるディヤラ州が管轄のベンジャミン・R・ミクソン少将は、イラク軍は「最も強力な兵器(多分、重機関銃のことでしょう)」で武装勢力を攻撃するために十分に早く移動できない、と語りました。

 ディヤラ州には3,500人の米兵、10,000人のイラク兵、数千名のイラク警察がおり、未採用や訓練中の警察官が3,000人います。少将はディヤラ州にさらに多くの兵士を配置することを計画しています。現在は米軍とイラク軍が地域を掌握していますが、武装勢力が戻ってくるなら兵士が増員される見込みです。

 現在の米軍の動きを記事は整理しています。今年、米軍は21,500人の増派を決めました。増派は主にバグダッド州で、一部はアンバル州に配置されます。そして、7,000人をそれらの支援要員としました。この増派は6月までに完了する見込みで、現在イラクにいる兵士の数は146,000人です。

 4月23日に、ワシントン・ポストがディヤラ州でテロ事件が増えていると報じた、と私はここに書きました。この時期、アンバル州でのテロ事件が減ったことから、これまでアンバル州で活動していた武装勢力がディヤラ州に移動した可能性があります。この地域からシーア派が減っていることから、スンニ派がディヤラ州を支配下に置こうとする動きがあるのかも知れません。だとすれば、それはバグダッドをスンニ派の支配下に置こうとしてイランに近い地域を掌握しようとしていることになります。その結果、米軍に対するテロ攻撃も増えている可能性があります。このようにアンバル州からディヤラ州へ武装勢力が移動できるとすれば、イラクの治安は事実上、回復していないと考えられます。こうしたことは戦争が終わってから一般に知らされるもので、分かった時にはすべては終わっているものなのです。だから、私たちは平素から戦争を見る目を磨いておくべきなのです。

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