18日午後8時48分に犯人が投降したので、警察の突入は行われませんでした。
現場に化学消防車が来たことから推測したのは、当然、警察は火災が起きることを心配しているということです。しかも、通常の水を放水するタイプではなく、泡などで空気を遮断する化学消防車が呼ばれた点が気になりました。つまり、水では消火できないものを警察が使う可能性が考えられるわけです。通常、警察が使う閃光手榴弾で火災が起きる可能性は少ないでしょうが、燃えやすいものが多い一般住宅では多少は危険かもしれません。考えやすいのは白リンを使う発煙手榴弾です。これは煙幕を発生させるための機能しかありませんが、白リンを燃やして煙を作るため、火事の原因になることがあります。白リンが手榴弾の本体から飛び出すことがあるためです。しかも、白リンは水をかけても空気に触れるとまた燃え出します。だから、化学消防車を用意する必要があるのではないかと考えました。
発煙手榴弾を使うとすれば、閃光手榴弾と共にすべての部屋に同時に投げ込んで、犯人をいぶりだすことになるでしょう。幸い、容疑者の娘は負傷しながらも、警察に協力しています。家内部の様子は娘からの聞き取りでかなり分かっているはずです。容疑者が逃げ込む場所も予測した上で、発煙手榴弾でいぶりだして逮捕するのかも知れません。しかし、私の記憶では警察は催涙弾は持っていますが、発煙手榴弾は装備しているかどうか定かではありません。だから、この推測には多少の無理があるかも知れません。以上は入手できた情報だけからの推測ですから、外れている可能性もあります。結局、何だったのかは分からずじまいかも知れません。
それにしても、今回の事件の対応は非常に疑問でした。特に救出作戦中に家屋から7〜8mに接近しながらSIT隊員の防護が不十分だった点が気になっています。詳細が分からないのでこれ以上は考えようがないのですが。