海上自衛隊護衛艦「しらね」の2等海曹が「特別防衛秘密」を含むイージス艦中枢情報の資料を隠し持っていた事件について、ようやくmilitary.comがAP通信の記事を掲載しました。日本では「イージス艦中枢情報」としか報じられていなかった漏洩情報が、艦対空ミサイル「SM-3」と「イージス・レーダー・システム」、日米がデータを共有するのに使っている「リンク16」に関するものであることが分かりました。
日本の報道がいかに何でも隠したがるかということが、この報道で分かります。日本で起きた事件をアメリカの報道で知ることは珍しくありません。この事件では事件そのものは国内で報道されましたが、具体的に何が漏洩したのかはイージス艦に関することとしか知らされませんでした。これではどれほど重要な情報が漏れたのかが分かりません。「SM-3」「イージス・レーダー・システム」「リンク16」のいずれの名称も機密でも何でもありません。記事に書いても特に困ることはないのです。どういうわけか、日本のマスコミはこの種の情報を明確に書かないことが多く、読んでも意味がない記事になっていることが時々あります。今回のことも、記者たちは知っていたはずです。記者が「知っているのに書かない」と思える報道は少なくありません。これは省庁と報道機関の馴れ合いの歴史のせいだと考えられます。