ワシントン・ポストによると、ソマリアではじめて殉教ビデオが制作されたということです。５月23日にAP通信が武装勢力からビデオを入手して明らかになりました。
また、自爆攻撃やインターネットで戦果を公表するなど、イスラム法廷会議は、かつてない戦術を使い始めました。記事には殉教ビデオの写真も掲載されています。20代とみられる男性が自爆攻撃への決意を語る内容ですが、制作された時期ははっきりしていません。ちなみに、ソマリアでの最初の自爆攻撃は昨年９月にユサフ大統領を狙ったものです。
ソマリアでは誰かを殺すために自爆することはかつてなく、外国から持ち込まれた概念だと、ソマリア人は言います。アフガニスタンやイラクで使われている戦術がソマリアでも使われるようになったわけです。いよいよソマリアの様相が対テロ戦に似てきました。このまま事態が進むと、いずれソマリアはイラクと同じ状態になるでしょう。私には国際社会がこの件についてほとんど関心を示していないのが理解できません。こうした傾向が広まると、世界の各地で権力に抵抗する時に同じ手法が使われる可能性が高くなり、それは世界を不安定にします。効果のないイラク侵攻という戦略的決断のため、別の場所で新しい戦いが起こりやすくなっているのです。これが誤った戦略がもたらす最大の問題です。いまさら後戻りできないとはいえ、本当にイラク侵攻前に戻りたいという気がします。
